
米国フロリダ州マイアミ在住のライル・ギッテンス氏(108歳)とエレノア・ギッテンス氏(107歳)夫妻が結婚83周年を迎えた。長寿研究団体ロンジェビクエストは、両氏を「世界で最も長い結婚生活を続けている夫妻」に認定したと発表した。
団体は結婚証明書や米国国勢調査など数十年分の資料を検証し、ギッテンス夫妻の記録を確認した。先月、結婚85年の記録を持っていたブラジルのディーノ夫妻の夫が亡くなったことで、生存する夫妻としての最長記録をギッテンス夫妻が引き継ぐこととなった。
ライル氏とエレノア氏の縁は大学時代に遡る。2人はクラーク・アトランタ大学在学中に初めて出会った。当時バスケットボール部の選手だったライル氏は、試合中に観客席のエレノア氏と目が合い、エレノア氏は「試合結果は覚えていないが、ライルを初めて見た瞬間ははっきりと覚えている」と回想した。
戦雲が漂っていた1942年、ライル氏が徴兵される可能性が高まると、2人は結婚を決意した。ジョージア州の陸軍基地で訓練中だったライル氏は3日間の休暇を取得し、同年6月4日に結婚式を挙げた。
結婚直後、エレノア氏は第一子を授かったが、夫はまもなく第二次世界大戦に動員された。ライル氏は米陸軍第92歩兵師団に所属し、イタリア戦線で戦闘に従事した。エレノア氏はニューヨークに移り、一人で出産した後、航空部品会社で働きながら生計を立てた。夫とはもっぱら手紙を通じて安否を伝え合い、寂しさを紛らわせた。
戦争が終わった後、夫妻は再会しニューヨークに定住した。2人は政府機関で一緒に働き、忙しい日々を過ごし、一日を終えるとカクテル一杯を分け合いながら疲れた体と心を慰めた。
エレノア氏は69歳でニューヨークのフォーダム大学から都市教育学の博士号を取得し、晩学の夢も叶えた。現在、夫妻はフロリダ州マイアミに移住し、娘と共に暮らしている。
結婚生活の秘訣を尋ねられると、エレノア氏は「私たちはお互いを愛しています」と短く答えた。ライル氏も「私は妻を愛しています」と語った。2人は特別な努力は必要なかったと口を揃えた。結婚生活がそれだけ自然で平和だったからだという。
ライル氏は妻の手をしっかりと握り、「私たちが最も長く結婚している夫妻になったという事実が信じられない」とし、「妻のそばにいられて幸せだ」と語った。













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