わずか1日で遺跡35か所に落書きした中国人男2人の末路
中国の名山である泰山の歴史的遺跡のあちこちに落書きを残して損壊した男2人が、懲役刑などを科されたことが明らかになった。

彼らは落書きが運命を変えてくれるという迷信を信じ、わずか1日で計35か所もの遺跡を損壊したことが判明した。
15日(現地時間)サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、中華人民共和国最高人民法院は文化財保護法改正1周年を迎え、7日にこの事件の詳細を公開した。文化遺産保護に対する一般の認識を高めるため、深刻な損壊事例とその処分結果を共有したのだ。
事件が起きたのは2021年7月18日だった。山東省出身の張と李は、赤色の油性ペンで泰山のあちこちにある碑文が刻まれた岩や遺跡35か所を回り、自分たちの名前とともに「成功」「幸運」「祝福」などを意味する文言を記した。

中国の五大名山である泰山は道教の聖地としても有名な場所で、彼らは泰山にこれらの言葉とともに自分たちの名前を記せば、その言葉通りに運命が変わると信じていたことが調査で判明した。彼らは家族の安全と子供たちの受験成功を祈願して落書きをしたと供述した。
張は小学校のみ卒業しており、李は文盲であることが調査で分かった。2人はともに迷信を利用して詐欺を働いた疑いで行政処分を受けた前歴があった。
彼らはまた、オンラインで「石柱に自分の名前を書き、他人がそれを大声で読むと幸運が訪れる」という内容の短い動画を視聴したと打ち明けた。
彼らが損壊した遺跡と文化財35か所のうち6か所は国家級、29か所は省級文化財だったことが確認された。泰山はユネスコ世界文化遺産にも登録されている。

泰山区人民法院は、故意に文化財を損壊した罪で有罪と認定し、張に懲役1年と罰金2,000元(約4万円)、保護観察2年を言い渡し、李には罰金1,500元(約3万円)を言い渡した。
また公開謝罪とともに、損害賠償金として2人合わせて7万588元(約141万円)を支払うよう命じた。
ただし、彼らの財政状況を考慮し、公共労働を通じて損害賠償を履行することを許可した。
張は2年以内に2,672時間の社会奉仕を完了しなければならず、李は6か月以内に151時間の社会奉仕を終えなければならない。
2人の事例が知られると、現地のネットユーザーは「落書きが効果があった。本当に運命を変えた。刑務所暮らしで」と皮肉った。













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