
フランスで高官が採用面接の際に女性応募者200人以上に強力な利尿剤を混ぜた飲み物を飲ませていたことが明らかとなり、衝撃が広がっている。
英デイリー・メールなどの報道によると、フランス文化省の高官だったクリスティアン・ネグル氏は、コーヒーや紅茶に利尿剤を密かに混入し、薬の効果が出始めたタイミングで女性応募者と「徒歩面接」を行った疑いで捜査を受けている。
使用された利尿剤は、急激で強烈な排尿欲求を引き起こすものとされる。警察はネグル容疑者のコンピューターから「実験」と題された文書を発見し、そこには女性応募者の面接日、薬物投与量、反応などが詳細に記録されていたという。
被害者らは震えやめまい、そして極度の屈辱を味わったと証言した。一部の女性は、公の場で排尿を我慢できず衣服を汚してしまったと明かした。
被害者の一人であるシルヴィ・ドラジェン氏は、2015年に憧れの職の面接のためパリを訪れた際に被害に遭ったとして「ほとんど内定だと思っていた。だが、チュイルリー公園を長時間歩きながら面接が続く中、急激に体の異変を感じ、何度もトイレを要求したが断られた」と振り返る。
最終的にドラジェン氏は、トンネル脇でしゃがみ込んで排尿せざるを得なかったといい「ネグル氏はまるで守っているかのように上着で隠すふりをした。その瞬間は本当に惨めだった」と声を震わせた。
別の被害者であるアナイース・ド・ボスさんも「面接の最中に不自然に『トイレに行きたいか?』と聞かれ、トイレの使用を拒否された。カフェの階段を上がろうとしたところで失禁してしまった」と証言した。
ネグル容疑者の犯行が発覚したのは2018年で、当時ある女性同僚の脚を撮影したことで通報され、捜査が進む中で薬物を使った「化学的服従」による支配・虐待の常習的な犯行が判明した。
ネグル容疑者は2019年に公職から解任されたが、事件が長期化する中、民間企業で働き続けることができていたという。
被害者側の弁護士ルイーズ・ベリオ氏は「一見性的な嗜好のように見えるが、実際には女性の身体を屈伏させ、恥辱と支配で支配力を誇示する権力犯罪だ」と強く非難した。
また別の弁護士は「6年もの審理遅延は、被害者に対する二次加害に等しい」と指摘した。一部の女性は民事訴訟を通じて国家から補償を受けたものの、文化省としての責任は問われない見通しだという。















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