
2026年6月に開幕する北中米ワールドカップの開催地となる、メキシコ・ハリスコ州のエスタディオ・アクロン周辺で、遺体の入った袋456個が発見され、衝撃が広がっている。
現地メディアによると、地域の捜索団体ゲレロス・ブスカドレス・デ・ハリスコは、2022年以降、同スタジアム近郊で遺体の入った袋が累計456個発見されたと公表した。団体は現在も捜索活動を継続しているという。
同団体は、今回の発見について、住宅開発のための工事中に確認されたと説明し、ワールドカップ開催会場の至近距離で遺体が発見された点が一層衝撃的だと指摘している。 最も直近の発掘は今年9月に行われた。
遺体の遺棄は、同地域で活動する犯罪組織カルテルの犯行とみられている。 スタジアムが位置するハリスコ州では、登録されている行方不明者の数が1万4095人に上り、メキシコ国内で2番目に多い。国全体では、現在13万人以上が行方不明の状態にあるとされる。
捜索団体の関係者は、当局が発見された集団埋葬地について十分に報告していないと指摘した上で、「ワールドカップ開催までに、すべてが問題なく見えるよう、発掘作業を急いで終えようとしている」と発言。「政府は金銭的利益にしか関心がなく、訪問者に深刻さを気付かせないため、行方不明者を知らせるポスターまで撤去している」と主張した。
これに対し、ハリスコ州当局は、2026年ワールドカップ開催に向け、約3000台の監視カメラの設置、無人機(ドローン)の配備、爆発物探知犬の導入、国家警備隊の配置などを通じて、治安対策の強化を進めているとしている。













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