
イスラムの伝統的な服装「ブルカ」を着用せず実家を訪れたことで殺害
インドで妻がイスラムの伝統的な服装である「ブルカ」を着用せず実家を訪れたという理由で、夫が妻と二人の娘を殺害する事件が発生した。
インドのニュース専門局「NDTV」によると、ウッタル・プラデーシュ州に住む男性ファルークは、妻タヒラと2人の娘を殺害したうえ、自宅の敷地内に遺体を埋めた容疑で警察に逮捕された。
警察の調査結果によると、ファルークがこれまで妻に対し、頭から足先まで全身を覆い、目の周囲だけを露出させるブルカの着用を繰り返し強要してきたことが明らかになった。彼は妻がブルカを脱ぐことはもちろん、写真を撮らせることも許さず、18年間にわたり身分証明書の発行も妨げていたという。義父が家を訪れる際にも妻との接触を制限するなど、強圧的な支配を続けていたとされる。
タヒラはこうした過度な支配に反発しており、夫婦は日頃からこの問題をめぐって度々対立していたという。事件が起きたのは現地時刻で今月10日深夜ごろ。ファルークは妻がブルカを着用せず実家に訪れたことを、自らの社会的名誉を傷つける行為だと受け止め、激怒の末に台所で妻に向けて銃を撃ち、死亡させたことが明らかになった。
さらに、銃声を聞いて駆けつけた長女にも銃撃を加え、後から出てきた次女は首を絞めて殺害したと、警察は説明している。犯行後、ファルークはトイレの工事のために掘っていた深さ約3メートルの庭の穴に3人の遺体を埋め、レンガを敷きつめて隠そうとした。
しかし、数日経っても嫁と孫たちが姿を見せないことを不審に思ったファルークの父親が行方を尋ねたところ、ファルークは「賃貸住宅で暮らしている」とごまかした。この説明に疑念を抱いた父親が警察に通報したことで、事件は発覚した。
警察は取り調べの中でファルークから犯行を自白させており、自宅の庭から遺体を収容した。現場からは犯行に使用された拳銃1丁のほか、空の薬莢7個、実弾10発も押収された。
警察は、正確な犯行動機や経緯の解明を進めるとともに、家庭内での強圧的な支配や暴力が極端な犯罪に至った背景についても慎重に調べている。













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