
家族全員を失った悲しみを克服するため、30年間三輪車で中国全土を放浪し続ける90歳の高齢者の物語が伝えられ、多くの人々の関心を呼んでいる。
4月5日、香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の報道によると、中国河南省開封市出身のチャン・ジュンイさん(90)は1990年代初頭、悲劇的な事故で家族を失い、一人きりになった。
当時、息子と息子の妻、そして8歳の孫が同じ日に交通事故で命を落とし、悲しみに沈んだ妻も翌年病気で亡くなった。
家族をわずか2年で失ったチャンさんは、故郷の家にいると蘇る悲しい記憶から逃れるため、旅に出た。普通の自転車で始まった旅は三輪車に変わり、そうして始まった放浪生活は今や30年近くに及んでいる。
彼の物語は、チャンさんの自転車を一緒に押してくれたバイ・シャオバイさんを通じて世間に知られるようになった。バイさんは「おじいさんは初等教育しか受けていないにもかかわらず、歴史的逸話や風習に精通しており、非常に聡明だった」と語った。

バイさんは毎日チャンさんに会い、食事を振る舞い、誕生日を祝うだけでなく、連絡用に携帯電話を購入して使い方まで教えていた。特に地域の人々に「思いやりを広げよう」と呼びかけ、多くの人たちの助けを得ることができた。
あるボランティアが、チャンさんが快適に過ごせるよう自分の家を貸すと申し出たが、チャンさんは丁重に断ったという。
チャンさんは「これは物乞いではなく、私が選んだ生き方だ」と述べ、「過去の苦しみはもう手放した。残された人生を大自然の美しさに包まれながら過ごしたい」と明かした。
他人の助けを当然と思わないチャンさんは、自分の古い三輪車に行方不明者のチラシをびっしりと貼り付けて回り、路上で誰かの家族を探すことで、自らが受けた親切に恩返しをしていた。
ただ、最近チャンさんは故郷への思いを口にし始めた。彼は福建省武夷山を経て再び開封市に戻る計画だという。開封当局は、チャンさんが戻り次第、高齢者手当の支給や生活支援に乗り出す方針だ。
中国のネットユーザーたちは「悲しみを前に進む力に変えたおじいさんの姿に感銘を受けた」「困難に屈せず黙々とペダルを踏み続けることこそ、人生への深い敬意そのものだ」など、熱い応援の声を寄せている。













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