
中国のある島で、配達の仕事を通じて人生を変え、新たな労働文化を築いている母親たちの話が話題となっている。
5日(現地時間)、香港メディアであるサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、中国の浙江省舟山市の衢山島では「女性騎士団」と呼ばれる中年女性の配達員たちが活躍し、地域社会に変化をもたらしているという。
人口約5万5,000人の衢山島は、漁業と石材産業を中心とする地域で、外部と行き来するには船で約2時間かかる。男性たちが主に海や都市へ働きに出る一方、島に残る女性たちは家事と育児を両立できる仕事を探さなければならなかったが、選択肢は限られていた。
造船所や製油工場などでは大半が男性を優先して採用しており、女性たちは低賃金の単純労働に従事するケースが多かった。実際、10mの漁網を裂く作業はわずか1元(約24円)に過ぎず、ワタリガニ用の網を編む仕事でも時給5~8元(約118~189円)程度しか稼げなかったという。
しかし、この1年間で状況は大きく変わった。平均年齢40歳前後の女性たちが配達業界に飛び込み、新たな機会を切り開いたのだ。現在、島内の専業配達員14人のうち9人が女性で、彼女たちが「女性騎士団」と呼ばれている。
彼女たちを率いるのは29歳の陳麗蓉氏だ。電動バイクの運転技術と配達の速さで「車神」との異名をもつ彼女は、子育て中の仲間たちのために昼間の勤務を譲り、自ら深夜の注文を担当するなど、仲間への気遣いを見せている。
陳氏は過去の就職活動で、「子どもの面倒は誰が見るのか」と繰り返し尋ねられたが、配達の仕事は参入障壁が低く、勤務時間が柔軟であるため、仕事と家庭を両立できる点が大きなメリットだったと説明した。
また、別のメンバーである胡迎栄氏(46)は、かつて漁網工場で働いていたが、現在は1日最大189件の配達をこなし、「注文王」と呼ばれている。彼女の月平均収入は約8,000元(約18万8,500円)で、以前に比べて数倍に増加したという。

もともと互いに見知らぬ存在だった彼女たちは、今では強い結束を持つ共同体へと成長した。仕事が少ない時には注文を分け合い、新人配達員を助け、余暇には一緒に時間を過ごすなど、強い絆を形成している。
彼女たちの活躍は地域社会でも注目されている。住民たちは道で彼女たちを見かけると、名前を呼びながら挨拶を交わすほどだ。
彼女たちの物語はSNSでも大きな反響を呼んだ。
あるネットユーザーは、「彼女たちは単に料理を配達するのではなく、依存や家族の負担から、自分自身を救い出しているのだ」と評価した。また別のネットユーザーは、「女性の強さと優しさを同時に示し、家庭に縛られていた多くの人々に勇気を与えている」とコメントした。















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