
アメリカ航空宇宙局(NASA)が、11年以上にわたって火星を周回しながら大気の変化を観測してきた探査機「MAVEN(メイブン)」の任務終了を正式に発表した。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、NASAは3日(現地時間)に記者会見を開き、MAVENが事実上復旧不可能な状態に陥ったと明らかにした。
MAVENは2013年11月にアメリカ・フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられた、NASA初の火星大気専用の探査機である。打ち上げから1年後に火星に到着し、これまでに大気の組成や変化の過程を分析してきた。
MAVENは2014年から火星軌道を周回しながら、火星大気の組成や大気が宇宙空間へと流出する過程を観測してきた。火星の表面には、古代の川の跡や三角州、峡谷の痕跡が残っている。科学者たちは、かつての火星が厚い大気層のおかげで、温暖で湿潤な環境を維持していたと考えている。MAVENの任務は、火星の大気層がどのように消失したかを解明することだった。
しかし、NASAがMAVENから最後の信号を受信したのは、昨年12月6日(現地時間)だった。当時、MAVENは火星の裏側に入った際に一時的に通信が途絶え、その後、通信が再開されることはなかった。調査の結果、MAVENは予期せぬ異常回転を起こし、バッテリーが急速に消耗したことで通信システムの電源が失われたとみられる。

任務責任者であるアメリカ・コロラド大学ボルダー校のシャノン・カリー教授は「チームの全員が大きな喪失感を抱いている」としながらも「過去10年余りで成し遂げた科学的成果を大変誇りに思っている」と語った。NASAは事故原因に関する最終報告書を今年中に公開する予定だ。
当初、MAVENの任務期間は1年と計画されていたが、実際にはその予想をはるかに超える長期間にわたり、運用が続けられた。MAVENは火星の大気が減少する速度を測定し、太陽風が大気の消失を加速させる過程を明らかにするのに貢献した。また、火星の上空で発生する新たな形態のオーロラを観測したほか、太陽系外から飛来した3番目の恒星間天体である「3I/ATLAS」彗星の撮影にも成功した。
カリー教授は記者会見で、MAVENを「歴代最高の火星探査ミッション」と表現し、愛着をのぞかせる場面もあった。
MAVENは今後50~100年にわたり、火星軌道を周回したのち、徐々に高度を下げて最終的には火星の大気圏で消滅すると予想されている。NASAは、MAVENが火星の大気消失の過程や惑星の進化を理解する上で、重要な役割を果たしたと評価した。
NASA惑星科学部門の責任者であるルイス・プロクター博士は「MAVENが収集したデータは、今後数十年にわたり、火星研究に貴重な知見をもたらすだろう。今回のミッションで得られた科学的成果は、今後も長く研究に役立つだろう」と述べた。














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