「懐石料理」で数十人が食中毒に… 「日本旅行の際はノロウイルスに注意を」
香港保健当局、日本訪問予定の市民に注意喚起
「ミシュラン」掲載店で56人が下痢・嘔吐症状
いちご大福を食べた23人も食中毒症状
最近、国内で感染性胃腸炎の症例が増加していることを受け、香港の保健当局が日本旅行を計画している市民にノロウイルス感染への注意を呼びかけたと、8日（現地時間）に香港「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」（SCMP）が報じた。
香港健康保護センター（CHP）の責任者エドウィン・ツイ博士は日本で感染性胃腸炎の発生が増加しているとし、「日本旅行中の食中毒リスクを最小限に抑えるため、個人衛生、環境衛生、食品衛生に十分注意してほしい」と呼びかけている。
ツイ博士は日本当局の発表を引用し、先月、大阪府の日本料理店「喜一」を利用した人や、鳥取県米子市の「清月株式会社」で製造されたいちご大福などの和菓子を食べた150人以上がノロウイルスに感染したと説明した。
国内メディアによると、先月初めと月末の2回にわたり、「喜一」で料理や弁当を食べた56人が、下痢や嘔吐などの症状を訴えた。患者の年齢は9歳から89歳まで幅広かった。
日本の伝統的なコース料理「懐石料理」を専門とするこの店は関西地域のミシュランガイドにも掲載された実績がある。先月8日から13日にかけて提供された料理を食べた男女33人が食中毒症状を示した。保健所の調査の結果、患者と調理担当者からノロウイルスが検出された。
食品衛生法に基づき、先月15～16日の2日間、営業停止処分が下された。しかし、営業再開後の22日から24日にかけて、新たに男女23人が下痢と嘔吐の症状を訴えた。再びノロウイルスが検出されたため、この店は再び営業停止処分を受けた。
また、今月3日と4日には鳥取県米子市のある老舗和菓子店で、いちご大福を食べた23人が食中毒症状を示した。地元保健所の調査では一部の患者と店舗従業員からノロウイルスが検出された。この和菓子店は5日間の営業停止処分を受けた。
ツイ博士は「一般的にノロウイルスは冬季に活発化する」とし、「汚染された食品の摂取、感染者の嘔吐物や排泄物との接触、汚染された物体との接触など、様々な経路で感染する可能性がある」と説明した。
さらに「ノロウイルスは非常に感染力が強く、わずかな接触でも容易に感染し、大規模な集団感染につながる可能性がある」と述べ、「アルコールはノロウイルスを殺すのに効果的ではないため、アルコールベースの手指消毒剤は石鹸と水での手洗いの代替にはならない」と強調した。
SCMPによると、昨年、日本は香港市民にとって最も人気のある海外旅行先だった。日本に訪れた香港からの観光客は270万人に達し、韓国、中国本土、台湾、アメリカに次いで5番目に多かった。
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