中国の動物園「豚ダイビングショー」 、動物虐待論争に発展
中国のある動物園で行われた「豚ダイビングショー」が動物虐待をめぐる論争を巻き起こしている。
中国の新浪ドットコム(sina.com)などの報道によると、1日に広東省東莞(とうかん)の動物園で「子豚ダイビングショー」が開催されたという。
現場の映像では、プール上に設置された豚の形をした構造物の口から複数の豚が落下する様子が確認できる。一斉に押し出された豚たちはそのままプールに落ちていった。
この映像がSNS上で急速に拡散され、「明らかな動物虐待だ」との批判が殺到。問題の動物園側は「このショーはメーデーの連休中のみ行われた一時的なイベントで、現在は中止している」と釈明した。

さらに「他の観光地のアイデアを参考にしたもので、当園で生まれた子豚たちの食べ過ぎを防ぎ、運動不足解消を目的としていた」と説明を加えた。
動物園側は「1日約10分程度の短時間の実施だったため、ストレスを与えることはなかった」と強調。「一部で動物虐待と指摘されているが、我々としては動物の健康管理のための措置だと考えている」と述べた。
しかし、この釈明にもかかわらず、動物権利団体や多くのネットユーザーは、この行為が動物福祉を著しく侵害していると指摘している。
特に豚は本来泳ぐことを好む動物ではなく、高所から強制的に水中に落とす行為は、動物に極度のストレスと恐怖を与える可能性があるとの批判が上がっている。

引用:Weibo
一方、中国では近年、動物園や水族館での動物虐待問題が継続的に提起されている。
2010年代初頭から中国政府は動物園での動物虐待行為を規制する措置を講じ始めたものの、地方の小規模動物園や観光施設では依然として動物を利用した娯楽プログラムが運営されているのが現状だ。
国際的な動物保護団体は中国政府に対し、より強力な動物保護法の制定と厳格な施行を求めている。特に観光客誘致のために動物を利用したショーや公演を行う施設に対する監督強化を求める声が高まっている。