蛇に噛まれた男性の血液から抗体を抽出し「解毒効果」があることを確認

アメリカで蛇に200回以上噛まれた男性の血液を用いて「万能解毒剤」を開発する研究が進んでいると海外メディア「BBC」が報じた。
元トラック整備士のティム・フリード氏(57)は、蛇毒に対する免疫力を高めるため、18年間にわたりコブラ、ブラックマンバ、タイパンなどの致死性の高い毒蛇に200回以上意図的に噛まれたという。当初はコブラ2匹に立て続けに噛まれ昏睡状態に陥ったこともあったが、「人体実験」を続けて、その過程をYouTubeチャンネルにも記録した。
フリード氏の話を知ったアメリカのバイオテクノロジー企業「Centivax」のジェイコブ・グランビルCEOは直ちに彼と連絡を取り、彼の血液から抗体を抽出した。その後、動物実験を通じて様々な種類の毒に効果があることが判明した。
研究チームは世界保健機関(WHO)が最も致命的な動物として分類したコブラ科の蛇19種を選定し、マウスを用いてフリード氏の血液から作製した解毒剤の実験を行った。その結果、13種で完全な解毒効果が確認された。残りの6種でも部分的な解毒効果が見られた。この研究結果は国際学術誌『Cell(セル)』に掲載された。BBCによると、毒蛇に噛まれて死亡する人は年間14万人に上るという。