
前代未聞の児童ポルノ事件が波紋を広げている。
朝日新聞やNHKなどの報道によると、大阪府警は13日、徳島県美馬市脇町にある市立幼稚園の元職員、鎌田裕樹被告(38)を、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供目的による製造)の容疑で逮捕したと発表したという。
鎌田被告は、2024年2月から11月にかけて、不特定多数への販売を目的に、香川県内の宿泊施設にある大浴場の脱衣所で、当時9〜14歳の男児3人の身体をタブレット端末などで違法に撮影した疑いが持たれている。
鎌田被告の犯行は、別の盗撮事件の捜査過程で発覚したとされている。昨年7月、大阪市内で発生した別の盗撮事件の捜査中に、鎌田被告が販売したとみられる未成年の動画が新たに見つかったのだ。
警察が1月に鎌田被告の自宅などを家宅捜索し、押収したメモリーカードやタブレット端末から、こうした違法動画が数百本発見されたという。押収されたメモリーカードは計25枚に上った。
鎌田被告は「約5年前から温泉施設などで盗撮をし始めた」と警察に供述した。
供述によると、これまでに動画を購入した人は約500〜600人に上り、これにより約200万〜300万円の収入を得たという。
警察は、鎌田被告がSNSを通じて購入者を募り、常習的に違法動画を販売していた疑いがあるとみて捜査を進めていると発表した。
鎌田被告は警察の捜査網が迫るまで、市立幼稚園などで勤務していたという。
美馬市によると、鎌田被告は2007年に市立幼稚園で臨時保育士として採用された後、幼稚園や市認定の保育施設で勤務してきたという。
逮捕以前は幼稚園で一時保育を担当しており、勤務態度は真面目だったと伝えられている。
今年1月に警察が捜査に着手し、被告を特定した後、市に報告。教育委員会の聴聞会において鎌田被告は犯行を認め、市当局は2月に懲戒免職処分を下した。
聴聞会で鎌田被告は「勤務先で子どもを撮影したことはない」と供述している。
警察は、鎌田被告が香川県と徳島県内の温泉施設4カ所をほぼ毎週訪れていたとみて、捜査を続けている。
なお、未成年者に対する性的コンテンツを他社への提供目的で製作または所持した場合、最長10年の懲役刑が科される可能性がある。