
過熱する競争の中、中国のフランチャイズ飲料チェーンでは最近、「便秘解消」をうたうドリンクが相次いで登場している。ドリンクの上にトイレットペーパーの束を添えるユニークな販売手法がSNSで話題となっているが、医療関係者からは健康被害への懸念が広がっている。
23日付の中国紅星新聞などによれば、中国各地の飲料チェーンでは快便や減量効果を強調したドリンクが人気を集めている。ミルクティーやヨーグルト、フルーツドリンクに高濃度のプロバイオティクスや、便秘解消に効くとされるプルーンやドラゴンフルーツなどを加えている。
ただし、医薬品ではない一般食品で医療効果をうたう広告は禁じられている。このため「腸活」「デトックス」「低カロリー」といった曖昧な表現にとどめ、「腸の弱い人は注意」との文言を添えることで消費者の関心を煽っている。
特に注目を集めているのは、店員がドリンクを手渡す際にトイレットペーパーの束を添えて渡す販売スタイルだ。実際、インフルエンサーたちがドリンクを飲んだ後にトイレットペーパーを持ってトイレへ向かう様子をSNSに投稿し、爆発的に拡散している。

「トイレで使って」とトイレットペーパーを添える販促戦略
一方で、副作用を訴える声も出ている。あるネットユーザーはSNSで「中国のチェーン店でヨーグルトドリンクを飲んだ後、吐き気やめまい、下痢や嘔吐に見舞われ、病院で急性胃腸炎と診断された」と明かし、ドリンクの写真や診断書を公開した。
こうした“下剤まがい”の販売手法に対し、医療関係者は警鐘を鳴らしている。南京の肛門外科医は「これらのドリンクに含まれるプロバイオティクス量は1日推奨摂取量の5〜10倍に達している」と指摘。「腸内環境のバランスを崩し、腹痛や膨満感を招く恐れがある」と警告した。
さらに「下痢はデトックスではない」と断言。「頻繁な下痢は腸の粘膜を傷つけ、炎症を引き起こし、栄養吸収を妨げる可能性がある」と説明した。
医薬品ではない一般食品を、あたかも健康効果があるかのように宣伝するこうしたマーケティングに対し、「食品安全を軽視している」との批判が強まっている。「便秘」や「下痢」といったデリケートな健康問題を揶揄するような手法が横行する現状に、懸念の声が相次いでいる。
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