
中国出身の世界的芸術家で建築家のアイ・ウェイウェイ氏が、ウクライナの首都キエウで大型インスタレーション作品を公開し、戦争への国際社会の関心維持を呼びかけた。
台湾中央通信社などによると、アイ氏の新作『Three Perfectly Proportioned Spheres and Camouflage Uniforms Painted White(3つの完璧な比率の球体と白く塗られた迷彩服)』が14日からキエウの展示館「パビリオン13」で展示されている。この展覧会は11月30日まで無料で鑑賞可能だ。
作品は白く塗装された迷彩服で覆われた3つの巨大な幾何学的球体で構成されており、最大の球体は高さ約2.7メートルに達する。球体を支える金属フレームは地元ウクライナの職人によって制作されたという。
アイ氏は「この作品はレオナルド・ダ・ヴィンチが数学的概念を説明するために描いた幾何学図から着想を得た」と説明している。
同氏は約2年前、非営利芸術団体「リボン・インターナショナル」から協働提案を受けたが、その時は回答を保留。しかし時間の経過とともに国際芸術界でウクライナ戦争への関心が次第に薄れていくのを目の当たりにし、再び外部の注目を集めるべく展示を実現する決断を下したと明らかにした。
作品は大規模なインスタレーションであるため現地で制作され、多大な時間と資源が投入されたと伝えられる。今回の展示のため、アイ氏は3度目のウクライナ訪問を果たした。
アイ氏は2008年の四川大地震の際、中国当局が死亡者数を隠蔽したとの疑惑を提起し、当局の反感を買った。その後は逮捕や自宅軟禁、拘束を経験。2011年には脱税容疑で秘密裏に拘束され、2015年に国際アンネスティ人権賞を受賞したのちに押収されていたパスポートを返還されてヨーロッパに渡り、現在はポルトガルで暮らしている。
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