
英国の電動力専門企業「ヘリックス(Helix)」と米国の超音速航空宇宙スタートアップ「アストロ・メカニカ(Astro Mechanica)」が協力し、長距離超音速飛行のためのハイブリッド電気エンジンを開発したと、科学専門メディア『インタレスティング・エンジニアリング』が最近報じた。
今回開発された電気エンジンシステムは「デュアリティ(Duality)」と名付けられ、マッハ3級の長距離超音速飛行を目指して設計された。このエンジンは従来のジェットエンジンとは異なり、タービン発電機コアと複数の高出力電気モーターを組み合わせ、圧縮機とファン段をガスタービンから分離したのが特徴である。
飛行速度に応じてエンジンモードを切り替え可能
このシステムは、超音速航空機の最も緊急な課題の一つである燃料効率を向上させるよう設計された。第4世代の試作品はSPX242-94電気モーター4基を使用して2段圧縮機を駆動する。各モーターは重量わずか31.3kgながら、最大400キロワット(kW)の出力と470Nmのトルクを発揮する。この高い重量対出力性能により、推進機は超音速気流の極限要求条件を満たすことができ、モーターは300kW・286Nmを持続的に維持して安定した推力を提供する。

ハイブリッド電気エンジン構造は、飛行速度に応じてエンジンモードを切り替えられるよう設計されている。
- マッハ0.8以下の亜音速条件ではターボファンモード
- マッハ1~2レベルの低超音速ではターボジェット
- マッハ2以上の超音速ではラムジェットエンジン
に切り替えられる。この柔軟性により、様々な飛行条件で効率性を最大化でき、離陸からマッハ3以上の速度まで効果的に作動する。
新型モーターは発電モードと推進モードの両方で900kWの持続出力を提供し、最大2万rpmで950kWに達する。最大トルクは575Nmに達するという。
ヘリックスによると、極限環境でも安定した性能を保証するため、高高度運用に特化した新しいモーター絶縁システムを採用したという。ヘリックスは現在、アストロ・メカニカの第5世代推進システム用のカスタムモーターを開発中である。
高速長距離超音速飛行のため、アストロ・メカニカは先進的な機体設計に基づき、世界初の太平洋横断超音速航空機を開発中だ。
ヘリックスの主任エンジニア、デリック・ジョルダドゥ-ベイリー氏は「航空・航空宇宙産業を再編する潜在能力を持つデュアリティに、我々の電気モーターが動力を供給できることを誇りに思う」と述べた。













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