
イギリスで4歳の女児が、インフルエンザ感染による稀な合併症を発症し、昏睡状態に陥った。両親は娘に予防接種を受けさせなかったことを原因として挙げ、深い後悔の念を示している。
報道によると、英ノーサンプトンシャーに住むシエナ・ダニオンちゃん(4)が、11月にインフルエンザウイルスに感染した後、極めて稀に発生する合併症である「急性壊死性脳症(ANE)」と診断され、昏睡状態に陥ったという。
シエナちゃんの父親であるゲリー・ダニオンさん(41)は、11月16日に娘に特別な思い出をプレゼントするため、クリスマスをテーマにしたパークのチケットを冷凍庫に隠しておいた。これを発見したシエナちゃんだったが、しばらくして体が凍えるように寒いと訴え、微熱と軽い疲労感を見せた。そして2日後、突然意識を失い病院に搬送された。
医療陣がCT(コンピューター断層撮影)などの精密検査を実施した結果、シエナちゃんの脳には深刻な異常所見が発見され、その後にANEと診断された。 シエナちゃんは血漿交換治療を受けたものの、乳酸値が急激に上昇したため、緊急手術を余儀なくされた。腹部に溜まり始めた空気を取り除くための二度目の手術も行われた。この過程で彼女は腸の約60パーセントが損傷し、回復が困難な状態に陥った。 医療陣は、シエナちゃんが意識を取り戻したとしても完全な回復を保証することはできず、永久的な神経機能障害や後遺症が残る可能性があると言及した。
ダニオンさんは「たった3週間前までは、愉快で思いやりがあり、健康だった子が、もしかしたら永遠に回復できないという事実を全く受け入れられない」とし、「本当に恐ろしい」と語った。 続けて「子供にインフルエンザの予防接種を受けさせなかったことを最も後悔している」とし、「新型コロナウイルスワクチンに対する懸念からインフルエンザワクチンも打たなかったが、その選択がこれほど大きな代償をもたらすとは思わなかった」と打ち明けた。 その上で、他の親たちに向けて「今からでもインフルエンザワクチンを接種してほしい」と訴えかけた。
ANEはインフルエンザのような比較的一般的なウイルスに免疫系が過剰に反応することで発生する疾患で、毒素や炎症反応が脳を含む身体全体の組織を損傷させる可能性がある。生涯にわたる障害が残るか、死亡する危険も伴う。 ANE自体を予防するワクチンは存在しないが、インフルエンザなど関連するウイルス性疾患に対する予防接種は、ANE発症のリスクを間接的に低下させるのに有効であるとされている。

















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