
フランスから中国まで1万8,000キロ以上を自転車で横断したフランス人青年の挑戦が、中国で大きな話題を呼んでいる。
12月14日付の香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じたところによると、フランス出身のキリアン・ル・グアデルさん(24)は、自転車で30カ国以上を走破し、最近中国に到着したことを、中国のSNS「抖音(ドウイン)」で明らかにした。
12月上旬には、北京の万里の長城に立つ姿を収めた動画が中国のSNS上で公開され、瞬く間に拡散された。
ル・グアデルさんは今年初め、フランス北西部の都市レンヌを出発した。冒険小説を好み、シルクロードに強い憧れを抱いていたことが、この長い旅を決意するきっかけだったという。
ヨーロッパからアジアへと大陸を横断し、約1万キロを基本的に単独で走行した。トルコとジョージアでは友人と同行したものの、その後は再び一人で中国を目指した。標高3,000メートルを超える高地を越える地域もあり、悪天候と険しい地形が最大の試練だったと振り返っている。
今回の中国訪問は、ル・グアデルさんにとって人生初の訪中であった。約6週間中国に滞在した後、12月上旬に飛行機でフランスへ帰国したという。旅にかかった費用は、フランスの銀行や地方議会など複数の機関からの支援を受け、総額約1万5,000ユーロ(約240万円)にのぼった。
彼はこの挑戦を、自身と同じように慢性疾患を患う人々に捧げたいと語っている。「ライム病や慢性疾患を抱えるすべての患者に、この達成を届けたい。私は3年間ライム病に苦しみ、治療がどれほど過酷か身をもって知っている」と明かした。
ライム病は、マダニに刺されることで感染する細菌性疾患で、完治が難しいとされている。ル・グアデルさんは14歳の時、森でダニに刺されて感染し、深刻な衰弱により日常生活さえ困難な状態に陥ったという。完治までには3年を要し、その治療過程は大きな苦痛を伴うものであった。
彼は「自分の経験が、病と闘う人たちに『それでも夢は実現できる』という希望を届けられたらうれしい」と述べている。













コメント0