
スペイン・マラガ発、英国・ガトウィック行きの航空便において、既に死亡していたと推定される89歳の高齢者が車椅子に乗ったまま搭乗していたことが判明し、物議を醸している。
21日(現地時間)、英紙「ザ・サン」の報道によると、本件は18日、該当便に搭乗していた乗客が公開したソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上の動画を通じて明らかになったとのことである。
乗客のペトラ・ボディングトン氏は、「Facebook」に「イージージェットは、いつから死亡した人物を航空機に搭乗させるようになったのか」と批判する動画を投稿した。この動画は再生回数21万回を超え、大きな話題となった。動画によると、当該の高齢者は搭乗前から車椅子に体をかがめて寄りかかっており、多くの乗客が通過する際に健康状態を案じていたとされる。
ボディングトン氏は「ザ・サン」の取材に対し、周囲の乗客が高齢者を振り返り「死亡しているように見える」と口にするほどであったと、当時の状況を語っている。
同行者らは高齢者の頭部を支え、高齢者は機内後方の特別補助席に移動した。午前11時15分に出発予定であった航空機は滑走路へ移動を開始したが、乗務員が離陸前点検を行う過程で異常が確認された。航空機は直ちに滑走を中止し、救助要員が機内で確認した結果、高齢者は既に死亡していたとのことである。
正確な死亡時刻は明らかにされておらず、同行していた家族が当時、高齢者の状態を正確に把握していたかは不明である。
機長は機内で「医療上の緊急事態が発生した」と放送し、機内は一時騒然となった。全ての乗客は搭乗ゲートに戻され、一部の乗客からは「なぜあの状態で搭乗を認めたのか」との批判が相次いだ。該当便は約12時間遅れ、午後10時47分に出発した。
当時、家族は「祖母は高齢で体調が優れなかっただけである」と主張していた。航空会社側も、「飛行が可能」とする医療意見書が提出されており、搭乗を拒否する法的根拠はなかったと説明し、搭乗時点では高齢者は生存していたとの釈明を行っている。
一方、複数の乗客は、高齢者が車椅子に乗せられて通過した時点で既に意識を失っていたと指摘し、空港側と航空会社の対応を厳しく批判した。ボディングトン氏も「意識を失っていたとみられる高齢者が機内に搭乗していた事実自体に衝撃を受けた」と述べ、周囲から見て飛行可能な状態とは言えなかったにもかかわらず、家族が「疲労により体調が優れなかっただけである」と説明した点について、無責任であると指摘している。
高齢者の遺体がその後どのように扱われたかについては、現時点で公式な確認はなされていない。スペイン警察は、該当便で発生した高齢者の死亡事案を巡り、詳細な捜査に着手したとのことである。













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