
山火事の被害に見舞われたスペインの小規模な村ラ・バニェーサに対し、851億9,200万円を超えるクリスマスの恩恵が舞い込んだ。
英「BBC」の報道によると、スペインのレオン県に位置するラ・バニェーサ村において宝くじの当選者が多数出現し、住民は1人当たり40万ユーロ(約7,373万円)、総額4億6,800万ユーロ(約862億6,945万円)の当選金を分配することになったとのことである。
スペインのクリスマス宝くじ「エル・ゴルド」は、00000から99999までの10万個の番号の中から全体、あるいは一部を的中させる方式で運営されている。1つの番号は100以上の束(セリエ)で発行され、各セリエは「デシモ」と呼ばれる10枚のバラ券で構成される。セリエの価格は200ユーロ(デシモ20ユーロ×10枚)である。束で購入して1人で受け取ることも可能であるが、当選金をデシモ単位で家族や知人と共有することも一般的である。今回のように特定の村に多数の当選者が出る背景には、特定の番号のセリエを特定地域の販売所に一括して割り当てるエル・ゴルド特有の販売方式がある。
今回、巨額の当選金を受け取ることとなったラ・バニェーサ村は、人口1万1,000人の小規模な自治体である。4ヶ月前にレオン県を襲った山火事により、同村では住民1名が死亡し、多大な財産被害が発生していた。復旧作業が続く中で届いたこの報せに、住民の間では数ヶ月ぶりに安堵の表情が広がった。地域のサッカークラブのメンバーも団体で宝くじを購入しており、1人当たり40万ユーロ(約7,373万円)の幸運を手にしたとのことである。
ハビエル・カレラ・ラ・バニェーサ村長は、「火災によりテンサイ工場が閉鎖され、数十人の雇用が失われた苦境の中で、今回の当選は地域の再建に向けた希望を醸成した」と喜びを露わにしている。
幸運は、同じく山火事の被害を受けたビジャブリーノ村にも及んでいる。同村は今年、鉱山事故で住民5名を失い、さらに山火事の被害にも見舞われた地域である。ビジャブリーノ村では2億ユーロ(約368億6,729万円)の当選が確認された。マリオ・リバス村長は「我々には明るいニュースが必要であった」と述べ、「宝くじの当選が、友人たちの命を失った悲しみを完全に癒すことはできないが、我々の未来に希望があることを示している」と語っている。
このほか、レオン県の人口3,000人の村ラ・ポラ・デ・ゴルドンで総額6,000万ユーロ(約110億6,019万円)、マドリードの労働者居住地域で総額6,400万ユーロ(約117億9,753万円)の当選が報告されている。













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