
パタゴニア(Patagonia)に生息するピューマたちが次々とペンギンを狩る中で、その習性にも変化が起きているという研究結果が発表された。
カリフォルニア(California)大学バークレー校の研究チームは、英国の王立学会誌である「B:生物科学(Proceedings of the Royal Society B)」の最新号に、パタゴニアのピューマたちがペンギン狩りを始めることで、彼らの行動にも変化が見られるようになったという研究内容を報告した。
南アメリカ最南端のアルゼンチン(Argentina)とチリ(Chile)にまたがる広大な地域を拠点とするピューマたちは、一時絶滅の危機に瀕していた。この地域の海岸牧場で羊を捕食したため、飼い主たちが無差別に狩猟を行ったことが原因である。その後、環境保護論者たちの努力により狩猟が中止され、徐々に個体数を増やしたピューマは、驚くべきことに狙う獲物を変えた。それは、マゼランペンギン(Magellanic penguin)である。

縞模様ペンギン属のマゼランペンギンの多くは海に生息しているが、春にかけて繁殖期を迎えると、群れを成して陸地へ集まる。研究チームは、ピューマの排泄物からペンギンの遺骸が頻繁に発見されたことから、2019年から2023年までGPS首輪をつけたピューマ14頭を追跡し、32台のカメラを設置して彼らの生態調査を開始した。
その結果、ピューマが予想以上に頻繁にペンギンを捕食しているという事実が明らかになった。この地域のピューマは本来、グアナコやシカ、ウサギなどの陸上哺乳類を主に捕食していたが、新たな獲物を得たということである。

特に、ペンギンを捕食するピューマと他の餌を好むピューマの間で、異なる行動様式も確認された。ペンギンを狩るピューマの場合、移動範囲が狭く、仲間との接触頻度もはるかに高かったからである。一般的に孤独な狩人と称されるピューマは、単独で広い領域を活動しながら餌を探し、排他的な習性を持つとされている。
研究を主導したミッチェル・セロタ(Mitchell Serota)博士は「ペンギンを捕食するピューマ2頭の遭遇が254件記録されたが、そうでないピューマ2頭の遭遇はわずか4件に過ぎなかった」と説明している。続けて「この理由は、豊富な餌を巡って互いに競争する必要が少なくなったためである」とし、「既存の食物連鎖も変化する可能性がある」と指摘している。













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