
乗用車よりも多くの航空機を所有していたとされる大物麻薬カルテル首領の資産規模に、国際的な注目が集まっている。17日(現地時間)、ボリビアの現地メディアは、同国で逮捕され米国に身柄が引き渡された麻薬カルテルの首領、セバスティアン・マルセット被告の資産の一部が、家宅捜索時に密かに持ち去られた疑いがあるとして、当局が捜査に乗り出したと報じた。ボリビア社会防衛部は「マルセット被告の自宅を捜索した際、何者かが現金や宝石類などを持ち去り、報告を怠ったという情報を受けた」とし、「情報の信憑性は高いと判断し、厳正な調査を指示した」と明らかにした。
ウルグアイ出身のマルセット被告は、今月13日にボリビアのサンタクルス・デ・ラ・シエラにある高級住宅で逮捕された。ボリビア政府は逮捕直後に同被告へ国外追放処分を下し、長年行方を追っていた米国へ身柄を引き渡した。ボリビア当局は逮捕および家宅捜索の終了後、押収資産リストを公開した。それによると、高級住宅5軒、輸入高級車10台に加え、軽飛行機16機が押収されている。各地を飛行機で移動することで警察の追跡を逃れていた実態が浮き彫りとなり、警察当局は「これらの航空機は麻薬密輸にも使用されていた」とみている。
現地メディアは社会防衛部副大臣のブリーフィングを引用し、「押収されたマルセット被告の資産は、判明分だけで約1500万ドル(約22億8000万円)に達する」と伝えた。しかし、押収品の中には資産価値が未確定のものや、推定額に含まれていない品目も多い。具体的には、自動小銃「AK-47」3丁、拳銃21丁、600発以上の弾薬、防弾チョッキ、航空燃料400リットルなども押収されたが、これらは市場で取引されない物品であるため価格推定が見送られたという。
一方で、本来含まれるべき現金や宝石、貴金属類が資産リストに記載されていない点について、現地メディアは「麻薬カルテル首領の押収品リストに現金が皆無であるのは極めて不自然だ」と指摘。当局が即座に捜査を決定した背景には、現場の捜査員らによる組織的な着服という「合理的な疑念」を払拭できなかった事情があるとみられる。さらに、マルセット被告が各地に隠匿しているとされる資産の全貌は現時点では把握不可能であり、その規模は「天文学的」にのぼると推測されている。
ウルグアイ出身のマルセット被告は、かつて母国で麻薬取引により服役(2013年〜2018年)した後、パラグアイを経てボリビアに潜伏し、大規模な麻薬ネットワークを再構築した。巨額の富を築いたその手法から、犯罪界では「現代のパブロ・エスコバル」とも称されていた。パブロ・エスコバルは、1980年代から90年代にかけて米誌フォーブスの長者番付にも名を連ねたコロンビアの伝説的な麻薬王である。米国政府はマルセット被告に対し200万ドル(約3億400万円)の懸賞金をかけ、その行方を追っていた。













コメント0