
全国で野生のクマによる人身被害が相次ぐなか、東京・奥多摩町でクマに襲われたとみられる遺体が見つかり、警察が調べを進めている。
読売新聞などによると、19日午後1時ごろ、東京都奥多摩町の山中で下半身のみの遺体が発見された。遺体の性別や年齢は判明していない。
遺体の周辺には大型動物のものとみられる足跡や糞が残っており、警視庁は山岳事故のほか、クマに襲われた可能性もあるとみて身元の確認を進めている。
発見のきっかけは、14日に非番で登山に出かけた警察官が腐敗臭に気付いたことだった。19日午前から、ほかの警察官や地元の猟友会会員など計30人態勢で捜索を行ったところ、同日午後1時ごろ、登山道から約100m下の崖で遺体が見つかった。
17日には、同じ町内で登山中の30代のロシア人男性がクマに襲われ、腕や顔に重傷を負う事案も起きていた。
地元自治体はこれを受け、付近の登山道や尾根道を通行止めとした。また、地元の猟友会と連携して朝晩のパトロールを強化し、奥多摩駅など5つの駅には登山客向けに注意喚起の掲示を出し、クマよけの鈴を携帯するよう呼びかけを行っている。
ある登山客は地元メディアに対し「普段から慣れた山だが、これほど頻繁に出没するとなると不安になる。一人で行くのはためらわれる」と述べ、「草木の生い茂る山を登る際には、音楽配信サービスの『犬の声』を大音量で流しながら歩いた」と語った。
昨年度の都の調査では、都内のクマの生息数は約240頭にのぼり、前回調査から約80頭増加したことが明らかになっている。
奥多摩町の担当者は「東京都の調査でクマの生息数が増えており、クマと遭遇する確率も高まっている」とし、「基本的なクマ出没の対策は必要だ」と登山客への注意を呼びかけている。
奥多摩町によると、昨年の4月から5月末までのクマの目撃情報や痕跡の確認件数が28件だったのに対し、今年は4月から5月20日時点ですでに41件の情報が寄せられているという。地元住民の一人は「散歩に出るのも怖い。以前はたまに山菜採りに出かけていたが、このところ誰も行かなくなった」と話した。
地元自治体はクマが住宅地の近くに出没しないよう、樹木の伐採や草刈りを実施するとともに、住民に対しては、クマを引き寄せる原因となる生ゴミを屋外に放置しないよう呼びかけている。
環境省によると、東京都内でクマによる死亡事故が起きたのは2008年が最後となっている。













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