
ウクライナの情報機関が「ネプチューン」対艦ミサイルに関する機密情報を流出させようとした疑いで、中国人2人を逮捕したと現地メディアが報じた。ネプチューンミサイルは、ロシア黒海艦隊の旗艦モスクワを撃沈したことで知られるウクライナ軍の主力兵器である。
ニューシスの報道によると、キーウ・ポストは、ウクライナ保安庁(SBU)が現地時間9日、ネプチューンミサイルの製造技術に関する文書を国外へ持ち出そうとした疑いで、24歳の中国人留学生とその父親を逮捕したと伝えた。
両容疑者はスパイ罪で起訴されており、有罪となれば最長15年の禁錮刑が科される可能性があるとされる。
SBUによると、留学生の容疑者は先端兵器関連の業務に従事するウクライナ人の民間人を取り込んで、ネプチューンミサイルの製造技術に関する文書を入手し、それを父親を通じて中国へ送ろうとした疑いが持たれている。
容疑者はキーウ工科大学の学生だったが、2023年に成績不振で退学処分を受けた後もウクライナに滞在していたという。父親は中国在住で、ウクライナを行き来していたとされる。
ウクライナ側は、ロシアがネプチューンミサイルを無力化するためにあらゆる工作を仕掛けていると主張している。
SBUは先月末にも、ロシア軍にネプチューンミサイル発射台の位置情報などを渡した疑いで、ウクライナ軍兵士1人を逮捕している。
ネプチューンミサイルは、ウクライナが旧ソ連のKh-35巡航ミサイルを改良して2020年に配備した射程約300キロの兵器で、海上・地上の双方の目標に使用可能とされる。
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