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板挟みの日産、トランプ政権下で苦悩の構造改革 稼働率66%のアメリカ工場が重荷に

川田翔平 アクセス  

引用:Newsis
引用:Newsis

日産は、米国市場での販売不振を受け、完成車の生産を25%削減する計画を発表した。生産ラインの閉鎖は行わず、生産量の調整を進める方針で、希望退職の実施も予定している。ドナルド・トランプ大統領就任以降、雇用と投資を重視する政策が強化され、大胆な構造改革を実施することが難しい状況だ。一方、経営統合に向けた協議を進めるホンダは、抜本的な改革を求めており、日産はその圧力と米国政府の方針に挟まれている。

生産・従業員削減で再建を目指す日産

31日付の日本経済新聞によると、日産は米国で、完成車を生産するスマーナ工場(テネシー州)、キャントン工場(ミシシッピ州)、およびエンジンを生産するデカード工場(テネシー州)の3工場を運営している。完成車を生産する2工場の総生産能力は約100万台で、これは日産の世界全体の生産能力の約20%に相当する。

今回の計画に基づき、スマーナ工場は4月から、キャントン工場は9月から生産調整を開始する予定だ。現在、2交代制で運営している工場を1交代制に縮小し、デカード工場も減産に合わせて勤務体制を調整する方針だ。また、希望退職者の募集が行われ、対象は非正規雇用の従業員となる。3工場で働く従業員数は約1万2,400人だが、希望退職方式を採るため、実際に退職する人数は未定である。

日産は、主力市場である米国で販売不振に直面しており、2024年4月~9月期の連結純利益は前年同期比94%減の192億円となり、新型コロナウイルスのパンデミック時に赤字を計上した2020年以降で最低水準に落ち込んだ。特に北米事業は41億円の営業赤字に転落し、前年同期の2,413億円の黒字から大幅に悪化した。

米国市場では、販売規模を維持するためにディーラーにインセンティブを支給してきた。しかし、トヨタやホンダとは異なり、現地で人気の高いハイブリッド車(HV)の普及が十分ではなく、インセンティブなしでは販売が難しくなり、悪循環に陥っている。米調査機関S&Pグローバルは、今年から日産の米国販売台数が減少すると予測している。日産は再建に向け、全従業員の7%にあたる9,000人を削減し、世界全体の生産能力を20%縮小する計画を進めており、今回の米国事業再編もその一環となる。しかし、目標通りに業績が回復するかは不透明である。

自動車業界では、工場の稼働率が約80%を損益分岐点とされているが、英調査機関グローバルデータによると、2023年時点での日産の米国工場の稼働率は約66%にとどまっている。実際にどれだけの人数が退職するかは不確実で、業界では1,500人規模の削減が予想されている。しかし、削減人数が目標に達しない場合、コスト削減効果は限定的となる可能性がある。

引用:聯合ニュース
引用:聯合ニュース

トランプ政権の配慮で改革が進まず

日産が米国で積極的な構造改革に踏み切れない背景には、トランプ大統領の影響がある。1月に就任したトランプ大統領は「米国第一主義」を掲げ、国内の雇用創出や投資を優先する政策を進めている。テクノロジー企業をはじめ、多くの企業が米国内での投資を拡大する中、日産が大規模な構造改革を実施すれば、米国事業に不利益をもたらす可能性があると懸念されたと考えられる。

一方、日産はホンダとの経営統合に向けた協議を進めており、今年6月の最終合意を目指している。ホンダは日産の事業内容を詳細に検討しており、今回の米国事業再編が十分な措置ではないと判断する可能性もある。日本経済新聞は、「トランプ大統領とホンダの間で板挟みとなった日産は、難しい決断を迫られている」と報じている。

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