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「トランプから電話をかけたのは当然」ウクライナ不在の米露会談で和平交渉が加速、ロシアメディア「プーチンの勝利」と報道

佐藤美穂 アクセス  

リヤドでの米露会談終了後「ウクライナで選挙実施を」

親露政権の樹立を目指してきたロシアの立場に近い発言

ロシアメディア、米国の「ウクライナ・ヨーロッパ無視」に歓喜し大きな期待を表明

戦争当事国であるウクライナを排除したままロシアと単独で終戦交渉に臨んだドナルド・トランプ米大統領が、ウクライナの政権交代が必要だという趣旨の発言をし、波紋が広がっている。

トランプ大統領は18日(現地時間)、フロリダ州マーア・ラゴのリゾートで「ウクライナでは選挙が行われておらず、事実上戒厳令下にある」と述べ、「言いたくはないが、ウクライナの指導者(ゼレンスキー)の支持率は4%に過ぎない。国も崩壊寸前だ」と語った。

また、ウクライナが交渉から排除されたことに強く抗議していることについて「この場(交渉テーブル)に着きたいなら、まず選挙が長期間行われていなかったことを認めるべきだ」と厳しく指摘した。

このような発言は、サウジアラビアのリヤドでウクライナの終戦策を巡って行われた米露閣僚級会談の直後に出た。

トランプ大統領は「ロシアが平和協定締結のためにウクライナの選挙を望んでいるという話がある」との質問に対し、「これはロシアだけでなく、私や他の国々も言っていることだ」と述べ、ウクライナで選挙を実施すべきだとの考えを改めて示した。

英紙テレグラフは1面トップでトランプ大統領の発言を伝え、「ロシアがウクライナの戦時指導者を排除し、親プーチン派を擁立するために選挙を利用するのではないかとの懸念を呼び起こしている」と批判した。

また、同紙はリヤドで行われた米露会談で、両国が平和協定の最終和解に達する前にウクライナで選挙を実施すべきだという点で合意したと報じた。

国民の支持を得られていないゼレンスキー大統領を選挙で交代させるべきだというトランプ大統領の発言は、ロシアの主張と類似している。

ロシアはこれまで、戦争を主導してきたゼレンスキー大統領を排除した後、ウクライナに親露・親プーチン政権を樹立する方策を密かに模索してきた。

元人気コメディアンのゼレンスキー大統領は、2019年の大統領選で5年任期の大統領職を獲得したが、戦争勃発に伴い戒厳令が宣言され、ウクライナは現在、戦時内閣体制で国家運営がなされている。通常であれば昨年3月に大統領選を行うすべきだったが、戦時体制により選挙が中止され、任期が延長された。

その後、ロシア側は「ゼレンスキーが大統領選を中止し、国家権力を簒奪した」との主張を続けている。今後、両国が状況に応じて終戦協定など和解文書に署名する際、相手が合法的な大統領である必要があるが、ゼレンスキー大統領はその資格を持っていないというのがロシアの立場だ。

ロシアは開戦後、ゼレンスキー大統領の暗殺を何度も試みたとされる。ゼレンスキー大統領は昨年11月、英紙ザ・サンとのインタビューで、ロシアが自身を権力の座から引きずり下ろそうとしていると述べ、ロシアの作戦名を「マイダン3」と言及した。

マイダンとは、2013年11月にウクライナの首都キーウの独立広場マイダンで始まった大規模な反政府・親露デモを指す。

ロシアのメディアは、米露会談の実現を「プーチンの勝利」と称賛している。

サウジアラビアで行われた今回の会談は、3年前のロシアによるウクライナ侵攻以来、初の米露代表団による高官級会談だ。

特に、目の上のたんこぶだったヨーロッパとウクライナが今回の会談から排除されたことに、ロシア側はより一層満足げな様子を見せている。

ロシアメディアは先週、トランプ大統領とプーチン大統領が90分間の電話会談を行った際も、対話を始めたのはロシアではなくアメリカであることを強調し、賞賛している。

ロシア国営テレビの司会者ドミトリー・キセリョフ氏は「関係を断ったのは我々ではない」とし、トランプが電話をかけたのは当然だと述べた。

彼は今回の会談を米露関係修復の第一歩であり、プーチン大統領とトランプ大統領の首脳会談に向けた段階だと見ている。

会談に代表団として参加したユーリー・ウシャコフ大統領外交顧問も、今回の会談が米露関係に焦点を当てていると主張した。

これに関連し、ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」は、クレムリンの戦略家たちがトランプ大統領ではなくプーチン大統領が今回の会談の主導権を握っているように見せかけようとしていると指摘した。

欧州政策分析センター(CEPA)のアンドレイ・ソルダトフ氏とイリーナ・ボロゴン上級研究員は、ロシアで合理的かつ理性的な論調で知られる日刊紙「コメルサント」でさえ、トランプ大統領とプーチン大統領の電話会談を報じる際に「プーチンの勝利」という見出しを付けたと述べた。

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