
世界最大の動画共有プラットフォームのYouTubeが23日で創業20周年を迎えた。
23日(現地時間)、市場調査会社モフェットナサンソン(Moffett Nathanson)は、YouTubeを独立企業と仮定した場合、その企業価値は4,750億〜5,500億ドル(約68兆〜79兆円)に達すると推計した。これはGoogleが2006年に創業者から買収した際の価格の333倍に相当する。
別の調査会社シミラーウェブによると、YouTubeはGoogleに次いで世界で2番目にアクセス数の多いウェブサイトだ。YouTubeは同日時点で、これまでに20兆本以上の動画が投稿されたと発表した。
YouTubeは今年、売上高でディズニーを上回り、最大のメディア企業になる見込みだ。昨年の売上高は542億ドル(約7兆7,400億円)を記録し、597億ドル(約8兆5,200億円)のディズニーに迫っている。
テレビでYouTubeコンテンツを視聴する時間は全視聴時間の12%を占め、ディズニー、フォックス、Netflixを上回った。
RBCキャピタル・マーケッツのインターネットサービス担当シニアアナリスト、ブラッド・エリクソン氏は「YouTubeはGoogle傘下にあることが大きな強みだ。Googleの他部門から得られるユーザーデータにより、広告のターゲティングや収益化能力が大幅に向上している」と指摘した。
YouTubeは現在、Googleの主要収益源である検索事業がOpenAIのChatGPTやAnthropicのClaudeなどのAIチャットボットの台頭で圧迫される中、Google事業の中核として重要な位置を占めている。
クラウドとYouTubeがGoogle(アルファベット)の新たな成長軸に
Google CloudとともにYouTubeはGoogleの成長の原動力となっており、アルファベット全体の収益の30%以上を占め、急速に拡大している。
モフェットナサンソンの創業パートナー、マイケル・ナサンソン氏は「YouTubeはストリーミング分野の勝者だ。コンテンツへの投資が不要で、クリエイターが自然に集まりビジネスを展開する構造になっている」と述べた。
YouTubeの成長は主にプレミアム、ミュージック、YouTube TVなどの有料サービスによってもたらされている。
YouTubeプレミアムとミュージックの有料会員数は約1億700万人に達し、2027年末までに1億4,500万人に増加すると予想されている。YouTube TVについては、2027年末までに約1,150万人の加入者を獲得すると、ナサンソン氏は予測している。
YouTubeは2005年2月、カリム氏を含むPayPal出身の3人によって設立された。同年4月23日、共同創業者の一人ジョード・カリム氏が「動物園にいる僕」(Me at the Zoo)というタイトルの19秒の動画を投稿し、オンライン動画の新時代の幕を開けた。
翌年、彼らはYouTubeをGoogleに16億5,000万ドル(約2,360億円)で売却した。その後、YouTubeは単なる動画共有サイトから世界的なメディア巨大企業へと成長を遂げた。