
大学のキャンパスに放火した中国人留学生、懲役1年6か月の判決
韓国・蔚山(ウルサン)にある大学のキャンパスで数か所に放火した中国人の交換留学生が、第一審で実刑判決を受けた。
今月6日、法曹界の情報によると、蔚山地方裁判所・刑事第1部のオ・ジェウォン部長裁判官は、放火の容疑で起訴された中国国籍の20代男性A被告に懲役1年6か月の判決を言い渡した。
A被告は、蔚山のある大学で交換留学生として在籍中だった今年2月中旬、大学寮近くの喫煙所など合計5か所で布団やノートに火を付けた容疑がかかっていた。
A被告は喫煙所で布団とノートを燃やした後、自分の部屋に戻り物を持ち出し、大学建物の脇道、山林、他の建物隣の丘陵地や草むらで連続して放火を行った。これにより、大学の建物付近にある山林約50平方メートルが焼失した。
証拠があるにもかかわらず一部容疑を否認、中国への逃亡も企て
裁判中にA被告は「喫煙所で物を燃やしたのは事実だが、建物脇道や山林などには放火していない」と主張した。
しかし、裁判所はこの主張を認めなかった。
A被告が歩いた経路に沿って火災が連続して発生した点、焼失したノートにA被告の名前が記されていた点、火災が発生した際に草むらに入ったのはA被告だけだった点などが決定的な証拠として作用した。
裁判所は「A被告は学生や教職員が喫煙所の火を消そうとしているのを目撃しながら、何の対応もせず自分の部屋に戻り再び放火した点で罪が重い」と指摘した。
さらに「放火の翌日に中国へ逃亡を図り、一部の犯行を否認していることから、厳正な処罰が必要だ」と判決の理由を述べた。
ただし裁判所は「火災が早期に鎮火され、幸い大きな被害は発生しなかった点、被告の精神健康の状態が良好でないと見られる点、前科がない点なども考慮した」と付け加えた。