暗号資産（仮想通貨）ドージコイン（DOGE）が再び上昇局面に突入する可能性があるとの見方が広がっている。
最近の米中貿易交渉再開への期待感に加え、デリバティブ市場における強気シグナルや「ドージOS（DogeOS）」プロジェクトへの資金流入が重なり、今週中にもドージコインが0.20ドル（約29円）を突破するとの見方が出ている。
7日午後9時（日本時間）時点で、ドージコインは前日比4.68%上昇し、0.17ドル（約24円）台を回復した。
仮想通貨専門メディア「コインゲイプ」などによると、この反発は中国がスイスで米国との貿易再交渉に前向きな姿勢を示唆したことによる、世界的なリスク緩和期待が背景にあるとされる。
現在ドージコインは、下降ウェッジパターンの中で上昇転換を試みており、テクニカル分析ではこのパターンが上方ブレイクにつながる可能性が高いとの見方がある。
4時間足チャートでは、ドージコインが0.1641ドル（約23円）の安値から反発し、現在は200日指数移動平均線（EMA）およびフィボナッチ61.80%水準である0.1729ドル（約24円）の抵抗帯突破を目指している。
この水準を明確に上抜ければ、4本連続の陽線が形成され、強気転換の明確なシグナルとして受け止められる可能性がある。
テクニカル指標も良好な動きを示している。MACDとシグナル線がゴールデンクロスを形成しており、上昇トレンドへの可能性を示唆していると分析された。また、上昇目標は0.20ドル（約28円）を起点に、その後0.2299ドル（約31円）、さらに0.2673ドル（約37円）まで上昇余地があるとの予測も出ている。
さらに、ドージコインの強気見通しを裏付ける要因として、ドージOSプロジェクトへの690万ドル（約9億9,873万9,682円）規模の投資誘致がある。
このプロジェクトは、仮想通貨関連のベンチャーキャピタルであるポリチェインから出資を受けており、ドージコインのエコシステム拡張への期待感を再び呼び起こしていると伝えられている。
実際、ドージコインは投資心理の変化に敏感に反応する傾向があるため、こうした外部資金の流入は短期的な価格上昇につながる可能性があると見られている。
一方、デリバティブ市場においても、ドージコインへの関心が高まりを見せている。未決済約定（オープンインタレスト）は最近1.45%増加し、16億9,000万ドル（約2,446億1,884万9,870円）に達しており、トレーダーの投資意欲が回復していることを示している。
特に注目されているのが、空売りポジションの清算が進む可能性だ。特定の価格帯に達した際、大規模な清算により価格が急騰する可能性も指摘されている。
例えば、ドージコインが0.1755ドル（約25円）に達すると約1,096万ドル（約15億8,640万9,490円）の清算が発生する可能性があり、0.1761ドル（約25円）では1,365万ドル（約19億7,576万7,633円）規模の清算が予測されている。
専門家によれば、現時点では米連邦公開市場委員会（FOMC）の7日（米国時間）の会議結果と、米中貿易交渉の進展がドージコインの短期的な動向を左右する主要な要因になるとみられている。
特に、利上げの見送りと交渉進展という二つの条件が満たされれば、心理的な抵抗線である0.20ドル（約29円）を突破し、さらなる上昇トレンドを支える材料となる可能性がある。