
ウクライナ侵攻以降、約100万人のロシア軍兵士が戦死または負傷したと、米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が3日(現地時間)明らかにした。特に兵士の命を軽視するウラジーミル・プーチン大統領の戦略が被害を拡大させたと指摘している。
CNNは、CSISが同日発表の報告書で、ロシア軍の死傷者数が今夏に100万人に達すると予測したと伝えた。報告書はこの「衝撃的な」数字について、「プーチン大統領が自国兵士の命を露骨に軽視した結果」だと指摘した。
報告書によれば、今月時点でのロシア側の推定死傷者数は約95万人で、そのうち最大25万人が戦死したとみられる。CSISは「第二次大戦以降、ソ連・ロシアが行った戦争でこれほど高い死亡率はなかった」と分析した。ウクライナ軍も約40万人の死傷者が出ており、そのうち死者は6万~10万人に上ると推計された。
CSISは、ロシアが戦場を支配しているという一部の見方に反論し、「モスクワ軍は戦場で相対的に劣悪な成果しか上げておらず、戦争の主要目標の達成にも失敗している」と結論づけた。死傷者数、装備の損失、遅々とした領土拡大などを根拠にこのような評価を下したとしている。
2022年、ロシアの初期の「電撃作戦」がウクライナに阻止された後、戦争は消耗戦の様相を呈している。報告書は、ウクライナが塹壕と地雷で防衛線を構築した一方、ロシアはごくわずかな領土獲得のために大規模な兵力を継続投入し、いわゆる「ミンチ機」式の戦闘を展開したと分析している。
ロシア軍はこのように兵力を消耗させているにもかかわらず、現在ウクライナ北東部ハルキウ地域で1日平均わずか50mしか前進できていない状況だ。CSISはこの進軍速度が第一次大戦時のソンムの戦いでの英・仏軍の前進速度よりも遅いと評している。
研究チームは、結果的に昨年1月以降、ロシアがウクライナ領土のわずか1%しか占領できていないとし、これを「取るに足らない成果」と評価した。2014年に強制併合したクリミア半島を含め、ロシアは現在ウクライナ領土全体の約20%を占領している。
CSISは、ロシアがこのように領土獲得が停滞しているにもかかわらず戦略を変更せず、むしろ前例のない死傷者の増加に対処するため、服役中の囚人を徴集したり、北朝鮮から1万人以上の兵力を受け入れたりするなど、人員補充を続けてきたと説明している。
特にモスクワやサンクトペテルブルクなどの大都市の上流階級の子弟はほとんど徴集対象から除外される一方、極東および北部の低所得地域から主に兵力を補充している点を根拠に、プーチン大統領が「これらの兵力を消耗品とみなし、政権基盤を脅かさない層だと判断している可能性がある」と分析した。
報告書は結論として、「昨年初めからロシアが戦争の主導権を握っているものの、消耗戦の様相が続く中で決定的な突破口はほとんどない状況」とし、ロシアが勝利できる唯一の道は「米国がウクライナへの支援を中断し、戦場から手を引くこと」だと述べている。