
ロシアがウクライナに1日約500機のドローンとミサイルを発射し、過去最大規模を更新し続けていると、ニューヨーク・タイムズ(NYT)が9日(現地時間)報じた。NYTによると、ロシアはこの日、夜通し479機のドローンと20発のミサイルを発射したという。2022年のロシア・ウクライナ戦争勃発以来、最大規模の空襲となった。
これにより、ウクライナ西部リウネ州で1名が死亡し、北東部スームィ州では9名が負傷した。首都キーウでは1世帯が被害を受けたが、現時点でそれ以外の追加被害や死傷者は報告されていない。
ロシアは今年に入り、ドローン攻撃の頻度を急激に増加させている。攻撃用ドローンの生産が大幅に拡大したことが背景にある。数か月前までは、一度に発射されるドローンの数は最大300機程度だった。ロシアのドローン攻撃は、ウクライナが1日に偽装トラックに搭載したドローンを使用し、ロシア国内の空軍基地を標的とした「クモの巣」作戦を実行した後、明らかに増加した。
それに先立ち、ロシアは1日未明に472機のドローンと7発のミサイルを発射した。これは当時、戦争勃発後ウクライナに対して行われた最大規模の空襲として記録された。5日未明には、ウクライナ全土の都市や村に対し、ドローンと有人機407機、巡航ミサイル約40発、弾道ミサイル6発を発射し、再び大規模な空襲を実施した。
NYTは、ロシアの攻撃は単なる報復ではなく、和平交渉が停滞している状況下でウクライナの防空網を無力化するための戦略的意図があると分析している。