関税交渉でレバレッジ確保を狙う布石
李大統領、「トランプ圧力」への対応に注目

李在明大統領の外交デビューとなる主要7か国(G7)首脳会議で韓米首脳会談の開催可否に注目が集まる中、米国の同盟国が相次いで防衛費増額を発表した。ドナルド・トランプ米大統領が出席するG7首脳会議(15~17日)とNATO(北大西洋条約機構)首脳会議(24~25日)を前に、防衛費増額で安全保障負担論に応じつつ、関税交渉のレバレッジ確保を狙う二重の布石とみられる。李大統領がトランプ大統領の防衛費増額と関税圧力にどう対応するか注目される。
カナダのマーク・カーニー首相は9日(現地時間)、国防・安全保障戦略の発表で、国内総生産(GDP)比の防衛費を2%に引き上げる支出目標を今会計年度(2025年4月~2026年3月)中に達成すると表明した。カーニー首相は以前、この目標を2030年までに達成するとしていたが、当初の目標よりも5年早い達成を掲げた格好だ。
NATOは防衛費をGDP比5%水準に引き上げる案の議論に入った。NATOのマルク・ルッテ事務総長は同日、「ロシアが今後5年以内にNATOへの軍事的挑発を準備する可能性がある」と警告し、「集団防衛の『クオンタムリープ』が必要だ」と強調した。NATOは首脳会議で、GDP比の直接防衛費を3.5%、安全保障費を1.5%に引き上げるなど、総防衛費をGDP比5%に引き上げるガイドラインを決定する。