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2025年06月15日日曜日
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「米国例外主義は終わった」米ドル3年ぶりに最安値…トランプ関税再熱や中東危機で売りが殺到

貿易摩擦の再燃・中東情勢の不安定化・物価低迷によりドル安が加速

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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ドナルド・トランプ米大統領が貿易相手国に対する関税圧力を再開する強硬姿勢を示したことで、ドル相場が3年ぶりの最安値を更新した。

12日付「フィナンシャル・タイムズ(FT)」によると、この日、ドルはポンドやユーロを含む主要貿易相手国通貨バスケットに対し最大1%下落した。トランプ大統領の相互関税発表を受け、ドルは4月初旬の安値を下回り、2022年3月以来の最安値を記録した。

三菱UFJ銀行(MUFG)のアナリストであるデリック・ハルペニー氏は「トランプ大統領の発言は、為替における休戦期間終了を前に貿易摩擦を明らかに再燃させた」と指摘した。

一方、米中両国はこれに先立ち、貿易協議の和解を発表したものの、中東地域の緊迫化がドル相場の重荷となっている。

米国とイランの核協議は第5回会談まで進展したが、イランが核兵器の燃料となるウラン濃縮の全面廃棄を求める米国の要求を拒否するなど、協議決裂の兆しが見られる。

中東における米国の長年の同盟国であり、イランの最大の敵国であるイスラエルは12日、イランに対する空爆を実施したと伝えられている。トランプ政権はすでに、イラク駐在の米大使館職員の撤退を指示し、中東地域内の米軍人家族に対する自主的避難も許可していた。

米国の物価指数が予想を下回ったことも、ドル安の一因となっている。米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げペースが加速する可能性が高まったためだ。

一方、欧州中央銀行(ECB)は先週、利下げサイクルが終盤に差し掛かっているとの見方を示し、これを受けてユーロ高が進んだ。

ユーロは取引中にドルに対して0.8%上昇し、1ユーロ=1.158ドル(約167円)と、2021年10月以来の高値を記録した。

年初来、貿易戦争への懸念や米国の財政赤字拡大観測、一部投資家による米国資産の売却などが重なり、ドルは約10%下落している。

英資産運用会社アビバ・インベスターズの主任エコノミストであるバシリオス・ギオナキス氏は「ドル安にはさらなる余地がある」とした上で、「米国例外主義への認識が弱まる中、米国リスクに対するプレミアムが上昇し、ドル相場の重荷となっている」と分析した。

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