天然ガス田・石油貯蔵庫を狙い撃ちするイスラエル…「原油価格は150ドルに達する可能性も」

イスラエルがイランの主要エネルギー施設を標的に空爆を実施し、国際原油価格が急騰している。
15日午後8時(現地時間)現在、ニューヨーク商品取引所で取引されている西テキサス中質油(WTI)7月物は、前営業日比3.7%上昇し、1バレル当たり75.67ドル(約1万1,064円)で取引されている。
イランの国営メディアによると、14日、イスラエルの無人航空機がイラン南部に位置する世界最大級のサウス・パールス・ガス田を空爆したと報じた。この攻撃により、天然ガス処理施設2カ所が被害を受けたが、具体的な被害規模はまだ把握されていない。
イスラエルはこれだけでなく、首都テヘラン近郊の主要な石油貯蔵庫も攻撃したと報じられている。事実上、イランの主要財源であるエネルギーインフラを集中的に狙った形だ。
このような空爆により、エネルギー供給の混乱への懸念が高まり、国際原油価格は即座に反応している。イスラエルが12日にイランを初めて攻撃した際も、WTIは1日で13%急騰し、2022年3月のロシアによるウクライナ侵攻以来最大の1日上昇幅となった。
国際社会は、イランとイスラエル間の緊張が高まる中、中東全体で軍事衝突が拡大する可能性に注目している。特に、世界の原油輸送の重要な通路であるホルムズ海峡が封鎖されれば、原油価格が史上最高値を更新するとの懸念も強まっている。
ホルムズ海峡は、世界の原油輸送量の約20%が通過する戦略的要所であり、ここでの不安定は世界のエネルギー市場全体に大きな衝撃を与える可能性がある。
グローバル投資銀行JPモルガンは、ホルムズ海峡が封鎖されるか、武力衝突が中東全域に拡大する場合、原油価格が1バレル当たり130ドル(約1万8,761円)まで急騰する恐れがあると予測している。INGはこれよりも深刻なシナリオを提示し、「事態が長期化すれば、年末には原油価格が1バレル当たり150ドル(約2万1,647円)を超える可能性がある」と警告している。
これは、2008年の金融危機時に記録した国際原油価格の史上最高値である1バレル当たり147ドル(約2万1,214円)を超える水準であり、世界経済に大きな波紋を呼ぶ可能性が指摘されている。