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2025年06月18日水曜日
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「孤立進む米国外交?」トランプ、”ロシア擁護”や”中国容認”発言でG7をかき乱す

トランプ「ロシア追放は誤り」…欧州の対ロ制裁強化方針と対立

中国のG7参加には「悪くない…気にしない」

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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トランプ政権が引き起こした関税戦争と、イスラエル・イラン間の軍事衝突を含む地政学的緊張の高まりの中、16日(現地時間)カナダで開幕した主要7か国(G7)首脳会議は、開始と同時に軋轢を生んでいる。

ドナルド・トランプ大統領が当初のG8体制からロシアを除外したことを批判し、米国と欧州諸国間の立場の違いを浮き彫りにしたことで、2018年のカナダG7首脳会議のように、グローバルな主要課題を巡り米国と他の6か国間の意見の相違が際立つ可能性があるとの分析が出ている。

米国をはじめ、日本、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、イタリアのG7の首脳らは、この日カナダのロッキー山脈のリゾート地カナナスキスに集まり、首脳会議の公式日程を開始した。

トランプ大統領はこの日、カナダのマーク・カーニー首相との二国間会談の場で記者団に「G7は(ロシアが抜けるまで)G8だった」と述べ、ロシアをグループから除外したことは「非常に大きな間違いだった」と語った。

中国のG7参加に関する記者の質問には「悪いアイデアではない」とし、「私は気にしない」と答えた。

ロシアはG8加盟国だったが、2014年のウクライナ・クリミア半島の強制併合後、この会議から除外された。トランプ大統領は第1期在任中も他の加盟国の反発にもかかわらずG8体制への復帰を一貫して主張しており、第2期の初G7会議でも同様の状況が繰り返されている。

トランプ大統領のこうした立場は、ウクライナを侵攻したロシアに対する制裁強化を米国に求める欧州首脳らの方針とは相反するものだ。

今回のG7会議に招かれたウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も、この機会にトランプ大統領と会談し、対ロシア制裁について協議したいとの意向を示している。

最大の懸案として浮上したイスラエルとイランの紛争について議論しても、加盟国間の意見の相違が際立つ可能性があるとの見方が出ている。

イギリスのキア・スターマー首相は取材陣に対し、イスラエル・イラン紛争について「緊張緩和に関する合意があると思っている」と述べ、「今日すべきことは、明確にそれを一つにまとめ、どう実行するかをはっきりさせることだ」と語った。

一方、トランプ大統領は既にイスラエルのイラン核施設攻撃を「素晴らしい」と評価していた。

ロイター通信は米側の情報筋の話を引用し、トランプ大統領がイスラエルとイラン間の対立緩和を促す内容の声明草案に署名しない見通しだと報じた。

トランプ大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領がイスラエルとイランの紛争で仲介役を務めることに「オープンだ」と前向きな姿勢を示したこともある。

外交関係者からは、トランプ大統領が共同声明の承認撤回を指示した2018年カナダ・ケベックG7首脳会議の事態が再現される可能性を懸念する声も上がっている。

G7加盟国は2018年の会議で保護主義と関税障壁を排除する内容の共同声明を採択したが、米朝首脳会談の日程のため先に会場を離れたトランプ大統領が共同声明を承認しないよう米代表団に指示し、混乱が生じた経緯がある。

ロイターは、今回の会議で移民、AI、重要鉱物のサプライチェーン問題を含む共同声明草案が複数のバージョンで準備されたが、そのいずれも米国の承認を得ていない状態であると報じた。

今回の会議はトランプ政権の一方的な相互関税の賦課後、米国と各国間の関税交渉が進行中の状況で開催されているため、多くの首脳の関心が共同和解の取りまとめよりも米国との二国間会談を通じた貿易交渉の進展に向けられるとの見方も出ている。

一方、この日のG7加盟国首脳間の会議に続き、17日には招待国の首脳を含んだ公式日程が始まる。

非G7国からは韓国のイ・ジェミョン大統領をはじめ、オーストラリア、ブラジル、インド、メキシコ、南アフリカ、ウクライナなど計7カ国の首脳が今回の会議に招かれている。

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