
石破茂首相は17日、主要7カ国(G7)首脳会議が開催されているカナダのキャナナスキスで韓国のイ・ジェミョン大統領と首脳会談を行った。イ大統領就任から14日目の日韓首脳会談である。両国首脳の会談は、昨年11月ペルーのリマで開かれたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議でユン・ソンニョル前大統領と会談して以来、約6カ月ぶりとなる。
イ大統領は会談で「我が国では日本と韓国の関係を近くて遠い国と呼んでいる」と述べ、「まるで庭を共有する隣家のように切っても切り離せない関係だ」と強調した。さらに「小さな違いや意見の相違はあるが、それらを乗り越えて日本と韓国が様々な面で協力し、互いに有益な関係に発展していくことを期待している」と語った。
また、世界の通商環境などにも言及し、「近い関係にあり、また補完的な関係にある日本と韓国が多くの分野で協力すれば、互いに大きな利益をもたらすだろう」と述べた。そして「今日を機に日韓両国が未来志向でより良好な関係に発展することを期待している」と付け加えた。
石破首相は「今年は国交正常化60周年という極めて記念すべき年だ」と述べ、会談の口火を切った。そして「国際情勢は非常に厳しさを増していると認識している」とし、「ウクライナ、中東、アジアなど、これらの地域で起きていることには共通の要素や様々な要因があると私は考えている」と語った。
続けて「大統領と私、そして政府間、企業間だけでなく、国民間の交流も60周年を機にさらに活性化され、両国間の協力と連携がこの地域および世界にとってより大きな貢献をする関係になることを心から期待している」と述べた。
この日の会談はイ大統領就任から14日目に実現した。ユン前大統領は就任から約1カ月後の2022年6月、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で岸田前首相と会談した。当時の会合は正式な会談ではなく、約3カ月後の同年9月にニューヨークで首脳会談が行われた。ムン・ジェイン元大統領は就任から2カ月後の2017年7月7日、ドイツで安倍晋三元首相と首脳会談を行った。
パク・クネ元大統領の場合、任期初期に日韓関係が悪化し、就任から1年後の2014年3月にようやく日米韓3カ国首脳会談で安倍晋三元首相と初めて対面した。両首脳による正式な会談は2015年11月まで実現しなかった。