ロシアがウクライナ国境地域に大規模な軍事力を集結させ、攻勢を強化している。欧州主要国はこれに対抗するため、対人地雷禁止条約からの脱退が相次ぎ、武器調達の強化も進めている。

ウクライナメディア「キーウ・インディペンデント」などによると、ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は27日、ロシアがウクライナ東部の補給拠点であり激戦地でもあるポクロウスク周辺に少なくとも11万人の兵力を集結させたと明らかにしたという。現地を視察したシルスキー総司令官は、ポクロウスクが約1,200kmに及ぶウクライナ戦線全体で最も激しい戦闘地域であり、「毎日約50件の戦闘が報告されている」と述べた。主要な鉄道と道路の結節点であるこの地域は、ウクライナ軍の重要な補給拠点となっており、ロシアもその奪還を目指して大規模な兵力を投入したとみられる。
ドナルド・トランプ米大統領は最近、ロシアへの制裁可能性に言及し、停戦に消極的なロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対して強く停戦を迫っている。プーチン大統領は同日、「ウクライナとの和平交渉の用意がある」との原則的な発言を繰り返した。しかし、ウクライナ占領地の返還拒否やウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟阻止など従来の立場を堅持しており、これに反対するウクライナとの溝は依然として埋まっていない。
ウクライナも西側諸国に継続的な軍事支援を要請し、ロシアに対抗している。この日、ウクライナ軍はロシア中部ボルゴグラードにあるロシア戦闘機4機を攻撃したと発表した。
一方、28日、ドイツのdpa通信などによると、かつてソ連に属していたバルト三国のエストニア、リトアニア、ラトビアが「対人地雷禁止条約(オタワ条約)」から脱退したという。ロシアの侵攻の脅威に対抗するには、反戦を掲げたこの条約からの脱退が効果的だと判断されたためとみられる。脱退は6か月後に発効する。英フィナンシャル・タイムズ(FT)や独ハンデルスブラットなどは、欧州最大の経済大国ドイツも国防物資の簡素化と迅速な調達を目指す制度改革に着手したと伝えた。特にフランス・イギリスを上回るペースでの国防費増額を決定している。
注目の記事