有名人の誘拐を計画した60代男に懲役2年6カ月の判決
有名芸能人や「一流講師」を誘拐し、約20億ウォン(約2億1,240万円)相当の金品を脅し取ろうと企てた60代の男に、実刑判決が下された。
韓国・蔚山(ウルサン)地裁刑事第11部(パク・ドンギュ裁判長)は30日、強盗予備などの罪で起訴されたA被告に、懲役2年6カ月の判決を言い渡した。
A被告は昨年11月、芸能人や有名講師、財閥関係者などを誘拐して脅迫し、巨額の金銭を奪おうと計画していた。犯行対象者の自宅住所や車両ナンバーをインターネットで調べ、吸入式全身麻酔薬の購入先まで調べるなど、入念に準備を進めていたという。

さらにA被告は共犯者を探すため、性犯罪者情報公開サイトで蔚山在住のB氏を見つけて接触した。
A被告はB氏に、「いいネタがある。一緒にやってみないか。家も車も全部把握している。10億〜20億ウォン(約1億625万円~約2億1,242万円)を奪うつもりだ」と持ちかけ、犯行の手口を説明したという。
犯行準備と通報による逮捕
B氏からの返答がなかったため、A被告は単独での犯行を決意した。
A被告は自宅で凶器、ガス銃、双眼鏡、手錠、透明テープ、ケーブルタイなど、誘拐に必要な道具を準備し、ソウル市内のホテルへと移動した。
その後、商業施設でスタンガンや護身用スプレーも購入し、ソウル江南区(カンナム区)や龍山区(ヨンサン区)の高級住宅街を約1週間かけて下見しながら、犯行場所を探していた。
しかし、この誘拐計画は、共犯に誘おうとしたB氏の通報によって未然に防がれた。
B氏は性犯罪で服役後、通常の社会生活を送っていたが、面識のないA被告からの誘いにより、自身に不利益が及ぶことを懸念し、警察に通報したことが明らかになった。
法廷でA被告は、B氏に対して誇張した話をしただけで、実際に強盗を行う意図はなかったと主張した。 しかし裁判所は、A被告が犯行に必要な道具を準備していたことや、カーナビで高級住宅街を検索していたこと、別の共犯者を探そうとしていたこと、さらには過去に複数の強盗前科があったことなどを根拠に、その主張を退けた。
裁判所は「被告は事前に綿密な計画を立てており、犯行の意思も明確だったと認められ、重い刑罰は避けられない」とした上で、「結果的に強盗を実行しなかったことや、被告の年齢などを考慮した」と判決理由を述べた。
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