
北朝鮮がロシア製の最新防空システム「パーンツィリ-S1」を入手し、首都・平壌にすでに配備していると、ウクライナの軍事情報当局が明らかにした。ウクライナメディア『キーウ・インディペンデント』によれば、軍事情報局(HUR)のキリーロ・ブダノフ局長がラジオインタビューで語ったという。
同氏によると、「最初のパーンツィリはすでに平壌に設置されている」と述べ、ロシアが北朝鮮軍の人員を自国に招き、操作訓練も行っていたと指摘。「北朝鮮軍はまもなく、この兵器と技術を自由に使いこなせるようになるだろう」との見通しを示した。
パーンツィリ-S1は、レーダーシステムを基盤に地対空ミサイルと対空砲を組み合わせたロシアの防空兵器。具体的な配備時期については明言されていないが、専門家は国境警備や政権保護を意識した配置と見ている。
ブダノフ局長はさらに、北朝鮮がロシアとの協力を通じて軍事力を大きく強化しており、ウクライナ戦争への兵力派遣の見返りとして、先端兵器や軍事技術を獲得していると指摘。実戦での経験が北朝鮮にとって「大きな利益」になっているとも述べた。
こうした協力は一過性ではないようだ。同氏は先月にも、ロシアが北朝鮮にドローン製造技術や軍用宇宙技術を提供していると警告していた。また、ロシア国家安全保障会議のセルゲイ・ショイグ書記が平壌を訪問した直後、北朝鮮が新たに2万1,000人の工兵を追加派兵する計画を明らかにしており、両国の軍事的結びつきはさらに深まりつつある。
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