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2025年07月05日土曜日
ホームニュース金正恩“自慢のリゾート”、その実態は宣伝用ハリボテ?17棟中わずか6棟が完成、人影のないビーチが物語る現実

金正恩“自慢のリゾート”、その実態は宣伝用ハリボテ?17棟中わずか6棟が完成、人影のないビーチが物語る現実

引用:NKニュース
引用:NKニュース

北朝鮮が6月24日に「完成した」と発表した元山(ウォンサン)・葛麻(カルマ)海岸リゾート。だが、その実態は表向きと異なっているようだ。3日、北朝鮮専門メディア『NKニュース』は現地の地図と写真をもとに「17棟ある高級ホテルのうち、訪問者を迎えられるのは6棟のみ」と報じた。

北朝鮮は「リゾートは2万人の観光客を収容可能」と豪語したが、地図上では11のホテルに名前がなく、建設が完了していない様子。北朝鮮が公開した写真でも、建物前に黄色と黒の警告線が確認され、未稼働であることを示唆している。

中でも注目されたのは、シンガポールのマリーナベイ・サンズを模したとされるタワー型ホテル。これは2018年、金正恩総書記がトランプ大統領との首脳会談でシンガポールを訪れた後に着工されたが、現在も完成には至っていないという。

新たに配布された地図によれば、大型ホテルよりも37棟のホステル施設に重点が置かれており、これらは国内の団体旅行者向けとみられている。一部のホステルは高層建築だが、多くは簡素な低層型だ。これにより、外国人富裕層ではなく国内客をターゲットにしている可能性が浮かび上がる。

金総書記は開業式にロシア大使館の関係者を招待し、7日にはロシア人観光客が初めて現地入りする予定。ただし、他国からの訪問は今のところ確認されていない。

外国人向けの新地図には、ホテルやホステル以外にも35軒の飲食店、29軒のショップ、12のレジャー・通信施設が掲載されている。しかし、地図上に描かれた遊園地や屋内ウォーターパークは、衛星画像上では未着工のままだ。

国営メディアは開業式の模様を大々的に伝え、各地から観光客が殺到していると報道したものの、写真には閑散としたビーチが写っており、国営放送でも初来訪者についての紹介は見られなかった。

NKニュースは「外国人観光客を本格的に受け入れる意思がまだないのでは」と指摘。コロナ以降、外部情報に対する警戒心を強めた金総書記の姿勢が背景にあるとみられる。

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