
地震の多発が続く日本列島で、ある「予言漫画」が再び注目を集めている。漫画『私が見た未来』の作者がかつて予言した「2025年7月5日午前4時18分の大地震」が目前に迫り、不安を抱える人が急増しているのだ。
この漫画は1999年に刊行され、2011年の東日本大震災を「予見」していたとされる内容で話題になった。作者のたつき諒氏は、2021年に出版された改訂版で「本当の大災厄は2025年7月に訪れる」と明言。さらに「日本とフィリピンの海底が噴火し、津波は東日本大震災の約3倍に達する」とまで述べている。
この予言は本の帯にも掲載され、100万部を超えるベストセラーに。中国語版も出版され、香港では著名な風水師までが「2025年の日本大地震」を警告するなど、予言への関心は東アジア全体へと波及している。
そんな中、現実にも異変が起きている。今月3日、九州・トカラ列島で震度6弱の地震が発生。この地域の地震観測史上、最大規模の揺れだった。さらに、先月21日からわずか10日間で、震度1以上の地震が1,000回以上も観測された。3日だけで100回を超えたことから、専門家たちも「極めて異常な状態」と警戒している。
トカラ列島では2021年と2023年にも地震の群発があったが、今回のように1,000回を超える頻度は過去に例がない。SNSでは「予言と現実がリンクしているのでは」「大災害の前触れではないか」との声が続出。恐怖や混乱が拡大しつつある。
この「予言大地震」の影響は観光業にも波及している。NHKによれば、香港の航空会社「グレーターベイ航空」は、乗客数の激減を受けて9月から日本便の一部を運休する方針を明らかにした。
政府も備えを呼びかけている。非常食や避難用品の準備がテレビで取り上げられ、各自治体も情報発信を強化中。韓国に帰化した世宗(セジョン)大学の保坂祐二教授は、「日本のTVでは1週間分の備蓄を推奨している。調査では、国民の半数以上が地震が実際に起きると信じている」と述べた。
真偽はともかく、予言と現実の偶然が重なったことで、平時には見られない社会的緊張が生まれていることは確かだ。
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