
中国北西部の甘粛省の幼稚園で発生した鉛中毒事件で、被害児童が200人を超えた。食事に美術用絵具を混ぜていたことが原因と判明し、衝撃が広がっている。
8日、中国中央テレビ(CCTV)の報道によると、甘粛省天水市の褐石培心幼稚園で血中鉛濃度の異常が確認された児童は、7日午後10時時点で計223人に上ったという。中国当局は、この幼稚園で食用不適の美術用絵具が生地に混入された事実を突き止め、園長を含む関係者8人を拘束した。
天水市の合同調査チームは、幼稚園の園長や調理スタッフらが共謀し、ネットショッピングで購入した絵具を希釈して給食に使用していた事実を明らかにした。食品や水道水など200件以上の検査の結果、問題の給食メニューは三色ナツメ餅とコーンソーセージロールであることが判明した。
これら2品の鉛含有量は、それぞれ1,052mg/kgおよび1,340mg/kgで、中国における食品安全国家規格の汚染物質含有量の基準0.5mg/kgを大幅に上回っていた。当局は幼稚園に隠されていた絵具を発見し、包装には食用不可の表示があったと発表した。
これに先立ち、西安市中心医院で検査を受けた多数の児童の血中鉛濃度は200~500μg/Lに達していたことが判明した。中国当局が示す子どもの正常な血中鉛濃度は100μg/L以下で、米疾病予防管理センターの基準では50μg/Lを超えると鉛中毒と見なされる。
当該幼稚園では最近、嘔吐やめまい、腹痛、脱毛、過敏反応、白髪、歯の変色などの異常症状を示した20人以上の児童が病院で検査を受け、鉛中毒と診断された。その後、鉛中毒問題が表面化し、園児251人全員を調査した結果、被害児童が223人に急増した。

教師らは抗議する保護者に対し、自分たちも被害者だと主張し、頭痛や吐き気の症状があったものの、深刻ではなかったと述べた。中国当局は被害児童の治療支援に全力を尽くしていると表明した。
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