
BYDは1日(現地時間)、ブラジルで電気自動車「ドルフィンミニ」の正式出荷を発表した。これはブラジルで生産されたBYD初の車両であり、中南米市場への本格進出に向けた第一歩となる。
BYDドルフィンミニ(中国名:シーガル、欧州名:ドルフィン・サーフ)は、BYDが開発したEV専用プラットフォーム「e-プラットフォーム3.0」を採用した軽自動車クラスの電動ハッチバックモデルだ。搭載されるLFPバッテリーは30kWhと38kWhの2種類で、最大6個のエアバッグや多様な安全技術を備えている。2023年の発売以降、27か月で累計販売100万台を超え、軽自動車市場の新たな勢力として存在感を示している。

ブラジル・バイーア州にあるカマサリ工場の敷地面積は460万㎡(サッカー場約645面分)にも及び、BYDはこの施設に55億レアル(約1,460億円)を投じている。年間初期生産能力は15万台で、第2段階の拡張後には30万台へと増強される計画だ。
同工場には自動化システム、スマート物流、リアルタイム追跡システムをはじめとする最先端技術が多数導入されている。特にスマートシーケンシングシステムは、市場ニーズが高いモデルの生産順位を優先的に割り当てる仕組みを備える。車両は組立ライン上でリアルタイム追跡され、窓ガラスの装着からバッテリーの搭載までをロボットが自動で実施する。

さらに、中国とブラジルの科学者らは共同で「1.5 DM-iフレックスフューエルハイブリッドエンジン」の開発も進めている。同エンジンはガソリンのほか、ブラジルを代表する再生可能燃料エタノールにも対応する。
また、カマサリ工場では今後数週間以内に「ソングプロ(Song Pro)」や「キング(King)」など軽自動車クラスの環境配慮型車両の量産開始を予定している。
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