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2025年07月15日火曜日
ホームニュース「このままじゃ世界経済で完全に置いていかれる」JPモルガンCEOが欧州に"厳しすぎる現実"を突きつける

「このままじゃ世界経済で完全に置いていかれる」JPモルガンCEOが欧州に”厳しすぎる現実”を突きつける

引用:ニューシス
引用:ニューシス

米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOが、アイルランド外務省主催のダブリンでの会合で欧州経済に厳しい見方を示した。欧州は深刻な競争力危機に直面しており、構造的問題を解決できなければ、世界経済における存在感がさらに低下すると警告した。

ダイモン氏は、欧州と米国の経済力格差が拡大していると指摘する。かつて欧州のGDPは米国の90%に達していたが、過去10〜15年で65%にまで低下しており、望ましい流れではないと強調した。

「真の単一市場構築こそが解決策だ」

欧州が競争力を取り戻すには、産業全体が統一的に機能する真の単一市場を完成させる必要があると訴えた。2024年にマリオ・ドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁が公表したEU競争力報告書に触れ、「さらなる統合なしに欧州が世界経済で失った地位を取り戻すのは難しい」と指摘した。

アイルランドの開放的な経済構造、企業に優しい政策、優れた教育システムを高く評価し、「欧州全体が見習うべき模範例だ」と称賛した。一方で、欧州は過剰な規制や国ごとの制度の違いによってイノベーションと競争で後れを取っていると批判した。

米EU関係と関税リスク

米国と欧州の協力の重要性についても言及し、「アメリカ・ファーストは許容できるが、アメリカ・アローンは問題だ」と述べ、両者が新たな関税協定を早急に締結する必要があると訴えた。特に、米国が最近導入した銅、ブラジル産品、医薬品などへの追加関税が、輸出主導型経済のアイルランドに大きな打撃を与える可能性があると警告した。

さらに、市場が米国の追加利上げや貿易摩擦による経済リスクを過小評価していると指摘。「現在、市場は米国の追加利上げの可能性を20%程度と見ているが、私の見方では40〜50%に達する」と述べた。関税や移民政策、財政赤字などがインフレ圧力を持続させており、「市場は楽観的すぎる」と警鐘を鳴らした。

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