
マレーシアの老夫婦が人工知能(AI)で作成された偽の動画を信じ、実在しない観光地を目指して3時間も車を走らせた末、真実を知り愕然とした。
Newsisの報道によると、10日付のSCMPは、この夫婦が先月30日にクアラルンプールからペラ州まで3時間かけて車を運転したと伝えた。到着したホテルで「近くにケーブルカーがあると聞いたが、どこか」と尋ねたところ、従業員は「そのような場所はない」と答えた。
しかし夫婦は「テレビで司会者がケーブルカーに乗って観光客にインタビューしているのを見た」と言い張り続けた。
夫婦が目にした動画には、女性司会者が「クワク・スカイライド」というケーブルカーに乗って山や森を眺めながら観光客にインタビューする様子が映っていた。だが、この映像はAIが生成した偽物だった。物議を醸したことで、その動画はすぐに削除された。
真相を知った妻は「なぜ人々を欺くのか」と激怒し、動画に登場した記者を訴えると言い出した。ホテルの従業員は「映像に登場する人物はすべて実在しない」と説明した。
ネット上では「そんなに遠くまで行ったのに偽物だとわかって気の毒だ」、「映像だけを見れば若者でも騙されかねないのに、お年寄りはなおさら騙されやすい」といった反応が見られた。
AI生成の偽動画による被害が現実に起き始めたことで、規制の必要性を訴える声が一層強まっている。
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