
トランプ米政権が今後4年間で、攻撃的なサイバー作戦に総額10億ドル(約1,476億5,334万円)を投入する計画であることが明らかになった。
この計画は国防総省を通じて実施され、最近議会で可決された「OBBB法案」に盛り込まれている。
14日(現地時間)の声明によれば、同予算には具体的な作戦内容や技術の詳細は明記されていないものの、インド太平洋司令部の能力強化が主な目的とされている。
同司令部は中国をはじめとするアジア太平洋地域での活動を担い、米国にとって主要な地政学的競争相手である中国への対応を担当している。
一方で、攻撃的サイバー作戦の予算が増額された一方、サイバー防御に関する予算は10億ドル削減された。

この結果、連邦のサイバーセキュリティ機関である「サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)」の予算も大幅に削減され、人員整理が行われた。米連邦裁判所は、CISA職員130人の解雇を違法と判断したが、削減された予算のうち回復されたのは一部にとどまっている。
民主党のロン・ワイデン上院議員は声明で、「トランプ政権はサイバーセキュリティおよび政府の技術部門の予算を大幅に削減し、米国を外国のハッカー攻撃に対して無防備な状態に置いている」と厳しく批判した。
さらに、「攻撃的なサイバー作戦の拡大は、連邦政府だけでなく、地方自治体や農村部の医療機関、民間企業に至るまで、国家レベルのハッカーによる報復リスクを高める」と警告した。
今回の作戦は、国家間のハッキング、ゼロデイ脆弱性の悪用、スパイウェアの拡散など、広範な内容を含んでいる。対象機器からの情報窃取や通信傍受、インターネットトラフィックの収集、さらに作戦遂行のためのインフラ構築なども計画に含まれている見通しだ。
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