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2025年07月18日金曜日
ホームニュースIT・テック【脱・中国加速】アップル国内回帰? 米国内のレアアース供給網を確保、iPhone部品も国産化へ

【脱・中国加速】アップル国内回帰? 米国内のレアアース供給網を確保、iPhone部品も国産化へ

引用:Newsis
引用:Newsis

アップルは、米国内の希土類(レアアース)磁石供給網を強化するため、MPマテリアルズと総額5億ドル(約742億324万円)の調達契約を結んだ。これは、トランプ政権による関税政策を受け、米国内での生産圧力が強まる中で下された判断である。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、MPマテリアルズはカリフォルニア州の新設施設でリサイクル希土類を加工し、テキサス州の工場で磁石を製造した上で、2027年からアップルへの供給を開始する計画だという。

この磁石は、iPhoneのハプティックエンジン(精密振動装置)のほか、アップル製オーディオ機器やマイクに使用されている。契約期間は公表されていないが、アップルは「複数年にわたる契約」と説明した。MPマテリアルズは証券取引委員会(SEC)への開示で、アップルが前払い金として2億ドル(約296億8,690万円)を支払ったと明らかにした。

中国は過去10年余りにわたり、希土類サプライチェーンの90%を支配している。米中対立の激化に伴い、供給網の混乱がグローバル企業のリスク要因となっている。トランプ大統領が4月に中国製品への関税を発動した際、中国は希土類磁石の輸出規制を強化し、世界的な供給を制限した。この影響で一部の欧米企業は生産中断に追い込まれた。

トランプ大統領は「アップルが米国で販売するiPhoneを、インドや他国で製造することに反対だ」と述べ、米国外で生産されたiPhoneに最大25%の関税を課す方針を示した。

これに対しアップルは、中国依存の低減を図りながら、インドやベトナムなどアジア各国への生産分散と米国内への投資拡大を並行して進めている。今年2月には、今後4年間で米国に5,000億ドル(約74兆2,140億円)を投資すると発表した。バンク・オブ・アメリカは、このうち相当部分は既存計画に含まれるが、一部は海外から米国へ移された可能性があると指摘している。

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