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【市場混乱回避】「パウエル解任は考えていない」トランプの火消し発言に株・債券反発

梶原圭介 アクセス  

引用:The White House*この画像は記事の内容と一切関係ありません
引用:The White House*この画像は記事の内容と一切関係ありません

ドナルド・トランプ大統領が一歩後退した。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の即時辞任を強く求めていたトランプ大統領だが、17日、パウエル議長の解任が迫っているとの報道を受け、関連する質問に「可能性は低い」と答えた。従来とは異なる態度で、市場の敏感な反応を恐れているとみられる。

これに先立ち、パウエル議長の解任が差し迫っているとの報道が出たことで、債券市場は急落した。30年物米国債の利回りは、米東部時間の正午頃に年5.04%を記録。前日比2ベーシスポイント(bp)上昇したが、上昇幅自体よりも、心理的な節目である5%を超えた象徴的な意味が大きかった。特に同日午前10時45分頃には4.97%だったものが、5.04%へと7bp急上昇した。

市場の動揺を引き起こしたのは、前日に行われたトランプ氏と共和党議員らとの非公開会合の内容が一部漏洩したことだった。この席でトランプ大統領はパウエル議長の解任について意見を求めたとされ、多くの議員が概ね賛成の姿勢を示したという。特にフロリダ州選出のアナ・ポーリーナ・ルナ下院議員は、前夜ソーシャルメディア「X」に「極めて信頼できる情報筋から、パウエル議長が解任されるとの情報を得た」とし、「99%確信している。解任は目前だ」と書き込んでいた。

しかし、市場が即座に反応したため、トランプ大統領は態度を軟化させた。本日、記者団の質問に「どんな可能性も排除しない」としつつも、「ただし、彼が不正行為により辞任する必要がなければ、解任の可能性は極めて低いと考える」と述べた。さらに、パウエル議長の解任を計画しているかとの問いには、「計画はない」と答えた。この発言後、市場はやや落ち着きを取り戻した。

30年物国債の利回りは現在5.01%まで低下している。S&P500種株価指数は一時6,200ポイント台前半まで下落したが、トランプ大統領の発言後には6,260ポイント台を回復し、0.3%高で取引を終えた。ダウ工業株30種平均も0.5%高で引けた。ドル指数も一時97.8まで下落したが、その後は98.2付近まで戻した。

なお、トランプ大統領が「不正行為」に言及したのは、FRB議長の解任権限が大統領にないためだ。特別な理由がなければ、FRB議長は辞任する必要はないが、不正行為のような特殊な事由があれば辞任を余儀なくされる可能性もある。ただし、これは極めて稀なケースだ。現在、トランプ政権はFRB本部ビルの改修に25億ドル(約3,717億9,843万2,060円)を費やしたと主張している。当初計画より7億ドル(約1,041億356万977円)増加したという。トランプ政権はこれを問題視し、パウエル議長の解任も検討したとみられる。しかし、パウエル議長は改修費の増加には正当な理由があったとし、報道内容は誇張されているとの立場を示している。

FRBの独立性が議論の的になること自体が、米国政府にとって決して好ましくない。たとえ金利引き下げを目指しても、市場が米国政府への信頼を失えば債券価格は下落し、利回りは上昇するからだ。無理に金利を引き下げれば物価上昇を招き、国民の不満も高まる。ウォール街からも相次いで警告が出ているが、トランプ大統領の心変わりを促せるかは不透明だ。

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