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2025年07月18日金曜日
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【米が屈服?】トランプ政権、AI半導体「H20」対中輸出を容認、アアース攻防が突破口に

米トランプ政権がエヌビディアの人工知能(AI)半導体「H20」の対中輸出を許可したことは、米中関係が正しい方向に向かっている初期の兆候だと香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が17日報じた。SCMPは専門家の分析を引用する形で、数か月後に予定されるドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席の首脳会談を前に今回の措置が取られたと伝えた。

引用:サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)
引用:サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)

トランプ大統領と習主席は、10月末頃に韓国の慶州で開催される「アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議」を機に米中首脳会談を行うと見られている。米国投資会社「ルーミス・セイレス・インベストメンツ・アジア」のグローバル・マクロ戦略家である莊博氏は、H20チップの対中販売許可について「中国の確実な勝利」とし、「外交的には『相互尊重と平等』と表現されるだろうが、これは中国当局が長年追求してきた米中二極体制(G2)の交渉に一歩近づいたという兆候だ」と分析した。

中国政府の顧問を務めた対外経済貿易大学の国際貿易専門家、崔凡教授は、「米国のH20輸出規制緩和は中国と米国の双方にとって前向きな措置であり、北京にとってはより大きな戦略的意味を持つ」と指摘した。崔教授は「中国もAIチップ産業が急速に発展しているが、性能面で課題を抱えているのが現状だ。H20輸出規制の緩和により、中国はサプライチェーン全体にわたってシナジー効果を促進できるようになった」と付け加えた。

エヌビディアは、米国のジョー・バイデン前政権が高性能AI半導体の対中輸出を禁止したため、それより性能の低いH20チップを製造して中国に輸出していた。しかし、昨年末に就任したトランプ大統領がそれさえも禁止したため、中国は対米レアアース輸出規制で対抗した。中国商務部は4月4日、レアアース17種のうち7種の対米輸出を規制すると発表した。輸出禁止ではないものの、自国企業に輸出許可を求めており、事実上「レアアースの武器化」を宣言したものと見られる。

その後、先月英国のロンドンで開催された「第2回米中貿易協議」で、中国の対米レアアース輸出規制と米国の対中輸出規制の一部解除を交換することで合意し、エヌビディアH20の対中輸出につながった。これに関して、米国のスコット・ベッセント財務長官とハワード・ラトニック商務長官は15日、H20輸出規制緩和についてそれぞれ「我々が活用した交渉カードだ」、「その背景には中国の対米レアアース輸出規制解除がある」と明らかにした。

引用:BBC

この件に関して、中国国内ではトランプ政権のH20チップ輸出許可を歓迎する一方で、対米レアアース輸出規制カードの威力に驚く声が上がっている。関税・貿易・先端半導体などで米国の攻勢に苦しむ中国としては、今後米国に対して同様の戦略を展開すべきだとの意見が相次いでいる。

電気自動車、先端戦闘機・原子力潜水艦・半導体などに使用される必須鉱物であるレアアースは、通常17種類の希少元素を指す。レアアースは実際には地球全体に存在するが、問題は精製作業にある。大量の強酸などを用いて100回以上の工程を経る必要があり、それに関連する精製設備や電力供給設備などのインフラが整備されなければならない。

米国もカリフォルニア州のモハーヴェ砂漠にあるマウンテンパス鉱山で1950年代からレアアースを生産していたが、経済性や環境問題などを理由に採掘を行っていなかった。一方、中国は環境規制が緩く、安価な電力と労働力を基に数十年にわたり「レアアース帝国」を築いてきた。中国が世界のレアアース生産の70%を占め、レアアース精製作業の90%を行っているとの統計もある。

昨年「レアアース資源の国有化」を宣言した中国は、国内のすべてのレアアース製品の流れを追跡する一方で、誰も政府の監視網を逃れられないようにするシステムまで整備した。このような状況下で、中国当局が4月に対米輸出を規制したジスプロシウム、ガドリニウム、ルテチウム、サマリウム、スカンジウム、テルビウム、イットリウムなど7種は、戦闘機や電気自動車などに使用される「重レアアース」であり、米国はそのほとんどを中国に依存している。

中国が輸出を継続的に制限すれば、米国の電気自動車メーカーや軍需企業は在庫が尽きた後には製品生産を中止せざるを得なくなるという。こうした中、中国の「経済実力者」である何立峰国務院副総理は、前日開催された「第3回中国国際サプライチェーン促進博覧会」に出席し、演説で米国を名指しせずに「自由貿易は世界経済発展の必然的条件であり、関税・貿易戦争には勝者がいない」と強調したと香港の「明報」が伝えた。

引用:namuwiki

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