ソウル市の某高校校長の女性教師へのセクハラが物議
ソウル市内のある高校において、女性教師が約1年間にわたり、校長からのセクハラ発言に悩まされていたことが明らかになった。
先月31日のJTBCは独自の報道で、20年間順調に教鞭をとってきた女性教師Aさんの教職生活が、新校長の着任を境に一変したと報じた。

昨年12月、健康上の理由で有給休暇を申請するため校長室を訪れたAさんに対し、校長は不適切な発言を行った。
当時、校長室には教頭や他の教職員も同席していた。
校長は「私が健康問題について彼(教頭に)話していたんだ。病気になったら心配だからね」と言いながら、「僕が君をどれだけ愛しているかわかるだろう」と述べ、さらに「病気なら有給は当然とるべきだ。お見舞いに行くかもしれないから、きれいな格好で待っていてくれ」と信じがたい発言を続けた。
その後も望んでいない身体の接触が後を絶たなかった。
Aさんは「職員室で座っていると、後ろから急に肩を掴みながら顔を近づけて話しかけられ、他の教師たちにもハイタッチを強要される」と訴えた。
校長の不適切な言動は昨年初めから約1年間続いたが、Aさんは人事で不利になることを恐れ、当初は耐えるしかなかった。
Aさんは「人事で不利になるかもしれないと思って、校長に直接訴えることができなかった」と語った。
しかし、耐え切れなくなったAさんは今年2月、教育委員会に事実を訴え、4月には上級審議委員会の結論が出された。
JTBCが入手したセクハラ・性暴力に関する上級審議委員会の措置結果通知書によれば、Aさんが訴えた計8件のうち6件が「事実」と認定された。
その内、4件がセクハラ、1件が性暴力に該当すると判断された。特に「肩を掴みながら顔を近づけて話しかける行為」は、セクハラかつ性暴力と認定された。
これに対し、校長はJTBCに対して「可愛がっている後輩だからこそ言ったことであり、真意が歪められている」と釈明した。
教育委員会が性暴力の事実を認めたにもかかわらず、学校側が処分どころか分離措置すら講じなかったため、被害者であるAさんは校長との遭遇に不安を抱いている。
ソウル市教育委員会は4月、当該高校に対して校長とAさんの実質的分離措置を求め、動線が重ならないよう要請したと伝えられている。
しかし、3か月が経過した現在も校長は依然としてその地位に留まっている。
Aさんは「校長に遭遇するかもしれないから授業のために廊下を歩くのも不安だ。授業中に外を通る人が校長である可能性があると思うと、身震いする」と訴えている。
給食室で校長に会うかもしれないと思い、食事中に皿を置いて席を立ったこともあるという。

被害者であるAさんが、加害者の校長を避けながら生活せざるを得ないという理不尽な状況が続いている。
彼女は「(試験監督の際)試験用紙を取りに行かなければならなかったが、校長が職員室にいるため、来ないでほしいと言われた。なぜ校長が避けずに、私が会わないよう注意しなければいけないか理解できない」とため息を漏らした。
学校法人は、処分が下されていない件についてJTBCに対し「教育委員会からの公文書を受け取っていなかったため、処分できなかった」と説明し、「公文書なしでの処分は個人に対する非常に重大な名誉毀損である」と主張した。
しかし、教育委員会の立場はこれと異なり、学校法人に対して処分等今後の手続きについて指示したと反論。
また、Aさんの夫も学校側に教育委員会の結果通知書を手渡したが、返答は得られなかった。
最終的に、Aさんは校長をセクハラなどの容疑で告訴し、警察は一部の容疑を認め、書類送検した。
注目の記事