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2025年08月19日火曜日
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【屈辱交渉】ドンバス6,600㎢を差し出せば「即時休戦」!?ロシアの一方的要求にウクライナ国民、怒り爆発「絶対に譲らない!」

引用:AP通信
出典:AP通信

ウクライナ東部ドンバス地域を「丸ごと譲渡せよ」というロシアのウラジーミル・プーチン大統領の終戦交渉要求に対し、ウクライナ内で怒りが爆発している。ウクライナが戦争に敗北したわけでもないのに、ロシアが休戦の代償として事実上の降伏を要求しているというのだ。プーチン大統領の納得しがたい要求を世間にさらす場を設けた米国のドナルド・トランプ大統領への批判も強まっている。

17日(現地時間)、英紙ガーディアンによれば、ウクライナ議会のハリナ・ヤンチェンコ無所属議員はロシア側の交渉案に対し「ただプーチン大統領が望むからといって戦わずに領土を譲るなんてありえない」と非難した。

ロシアの要求に対し、クラマトルスク出身のあるウクライナ市民はガーディアンに対し「ロシアがこの都市を含む残りのドネツク地域を奪うことは、(ウクライナの)戦争敗北を意味する。それは社会の分断を招くだろう」と語った。彼は「ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領にこの問題を一方的に解決する権限はない。領土放棄は政府の政治的な自殺行為だ」と声を高めた。

3か月前、最前線ドネツクで戦っていた父親が戦死したという大学生は、米CNNに「東ウクライナとクリミアのすべての国境を完全に守ることが父の夢だった。それが私の夢であり、父の夢でもあった」と語った。彼は、命をかけて国境を守る兵士たちについて「非常に多くの勇敢な人々がいる。ウクライナで最も優れた人々だ。そんな人たちがウクライナの土地を守っている。そのような土地をプーチン大統領に譲ることには同意できない」と付け加えた。

あるキーウ市民はCNNに「明日何が起こるか分からない。我々はプーチン大統領を信じない」とプーチン大統領への不信感を露わにした。彼は「我々の(ゼレンスキー)大統領が領土に対する断固たる立場を示すと信じている。我々は自由で完璧な祖国で暮らしたい」と述べ、プーチン大統領を「テロリスト」と呼び「ウクライナはテロリストに決して領土を譲らない」と強調した。

ロシアは2014年にクリミアを強制併合して以来、ウクライナのドンバス地域(ドネツク、ルハーンシク)の掌握を目指してきた。ロシアは2022年のウクライナ全面侵攻を機にルハーンシクの大部分を占領したが、侵攻から3年半が経過した現在でも、ドネツク州の一部地域を完全に掌握できていない状況だ。

プーチン大統領は15日、アラスカで行われた米ロ首脳会談で、現在ウクライナが支配するドネツク州の都市、クラマトルスク、スラヴャンスクなどを譲渡する場合、終戦に応じる意向を示したと伝えられている。

ロシア側の平和交渉案によれば、ロシアはウクライナ北部、スームィとハルキウ内の支配地域を返還する代わりに、東部国境地帯であるドンバスのうちウクライナが支配する地域をロシアに譲るよう要求した。

引用:AP通信
出典:AP通信

ロイター通信によると、ロシアは2022年2月に始まったウクライナ侵攻戦争で、ドンバス(ルハーンシクとドネツク)全体面積の88%に相当する4万6,570㎢を支配下に置いているという。ドンバスでまだウクライナが支配している地域はドネツクの6,600㎢程度だが、この地域は戦略的要衝とされている。ロシアはこの地域まで掌握するために、最近攻勢を集中させている。

ロシアの交渉案によれば、ロシアはドンバスのうち、戦争で占領した88%に加え、まだ手に入れていない残りの12%の面積も譲り受けるということだ。ウクライナの戦況を追跡するディープステートマップ(DeepStateMAP)によると、ロシアが譲ると提案したスームィとハルキウの面積は約440㎢程度だという。つまり、440㎢の土地を6,600㎢の土地と交換すれば休戦ということになる。

面積だけを考慮すれば、ウクライナが譲らなければならない面積は、返還される土地の15倍に達する。ウクライナにとって非常に屈辱的な交渉条件だ。このような条件で、その他の地域である南部ヘルソン、ザポリージャなどの前線を現状で凍結するというのがロシアの要求だと、ロイター通信は伝えた。

同通信は前日、トランプ大統領が欧州各国およびウクライナの首脳たちに伝えた内容をよく知る複数の匿名情報源を通じて、この内容を把握したと報じた。これらの情報源によれば、こうした要求のほかに、ロシアは2014年に強制併合したクリミアの正式なロシア編入認定、侵攻以降大規模に課された対ロシア経済制裁の一部解除なども要求しているという。

また、ウクライナの一部または全地域においてロシア語を公用語として採用し、戦争勃発以降ウクライナで禁止されているロシア正教会の宗教活動も自由に認めることなども要求しているとされる。

ロシアの要求事項のほとんどは、ウクライナが即座に受け入れるのは困難な内容だ。何よりも、ロシアの交渉案は最終的な平和合意までの休戦を一旦排除している。しかし、毎日犠牲者が出ているウクライナにとっては、即時の休戦が最も重要な条件と見なされている。

また、ウクライナはすでに自国の領土を譲る案を拒否している。ウクライナが支配する東部ドンバスのドネツク地域は、ロシアの追加進撃を防ぐための戦略的要衝と評価されており、特に譲歩しやすい地域ではない。

引用:タス通信
引用:タス通信

交渉案によれば、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)加盟も認められないという。ただし、ロシアはウクライナが一定レベルの「安全保障保証」を受ける方法には前向きであるようだと、情報筋は伝えている。具体的な安全保障保証の方法は明確ではないが、トランプ大統領は欧州の首脳たちと電話で、NATO条約の第5条と類似のウクライナ安全保障保証体制について言及したとされる。

NATO条約の第5条は、加盟国の一つが攻撃を受けた場合、その攻撃を全加盟国への攻撃とみなし、対応するという集団防衛条項である。ウクライナがNATOに加盟しなくとも、ロシアが再び侵攻すれば、西側諸国が共同で対応し支援することを事前に約束するということだ。オンライン上では、トランプ大統領がプーチン大統領に対して提供した儀礼が、屈辱的なほど過剰だったという批判も上がっている。

ソーシャル・メディア「X(旧Twitter)」では、米軍兵士たちがロシア大統領専用機の階段下にレッドカーペットを敷いている様子が話題になっている。この写真は、特に米海兵隊が第二次世界大戦末期に日本軍の抵抗を打破した後、硫黄島で星条旗を掲揚する「硫黄島の星条旗」写真と並べられ、比較効果が際立っている。ウクライナでドローン(無人機)関連の資金集めを推進するある利用者はXに「恥ずかしい」と投稿した。

一方、ゼレンスキー大統領は18日、米ホワイトハウスを訪れ、プーチン大統領が提案した平和交渉案についてトランプ大統領と協議する予定だ。英国、フランス、ドイツ、イタリアなど欧州主要国の首脳たちも同日ホワイトハウスを訪れ、協議に参加する見込みだ。

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